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出来
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でけ
ふりがな文庫
“
出来
(
でけ
)” の例文
旧字:
出來
そら綿貫のいうたことかて一から十まで信用
出来
(
でけ
)
しませんし、あの着物取られた晩でもたしかに綿貫が
指図
(
さしず
)
したのんと違うかしらん。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「あんた一人で東京までようお
往
(
い
)
きやすか。」と
母親
(
おふくろ
)
はもう涙を一杯眼に浮べて「
繁
(
しげ
)
も
可憫
(
かはい
)
さうに、お
伴
(
つれ
)
が
些
(
ちつ
)
とも
出来
(
でけ
)
よらんのかいなあ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
花「それは
然
(
そ
)
うでありましょう、
併
(
しか
)
し
出来
(
でけ
)
ない処を無理に頼むので、
出来難
(
でけにく
)
い処をするが勘弁だア、
然
(
そ
)
うじゃアありませんか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
間もなくその素封家から「紅葉先生と露伴先生のだけは早速表装しました、お
庇
(
かげ
)
で自慢の家宝が二幅
出来
(
でけ
)
えました、」と、
慇懃
(
いんぎん
)
な礼手紙が来た。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
今日日
(
きょうび
)
はパアマネントオーの一つ位掛けんことには、
良家
(
えゝとこ
)
の人と交際も
出来
(
でけ
)
まへんさかいナ。それに、何でんがナ。
俗臭
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
自分
(
わし
)
の同門に松浦
愚
(
おろか
)
という少年が居った。こいつは学問は一向
出来
(
でけ
)
ん奴じゃったが、名前の通り愚直一点張りで、勤王の大義だけはチャント心得ておった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
よね 今迄、そけをつて、
己共
(
おつどん
)
が話ば聞いとつたツだるけん、一人だけ
善
(
よ
)
か
面
(
つら
)
しゆうてしたてちや、そらあ
出来
(
でけ
)
んたい。仲間入りばせんぎりや承知せんけん……。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
こうお見受けしたところ、あんたはんも、まんざら物の
出来
(
でけ
)
んお方でもおへんやろ。向うは人を
騙
(
だま
)
さにゃ商売が成り立ちまへん。それを知って騙されるのはこちらの不覚。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
嬰児が可哀相やよつて、さう頼むんや、嬰児をどうかして了へいふたかて、そんな殺生なこと出来るかいな。罪どすがな。わて、殺す言はれたかて、そんなこと
能
(
よ
)
う
出来
(
でけ
)
へん。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「株ちゅうものは、儲かるように
出来
(
でけ
)
ちょる。そんでなくて政府が許しとくものかな」
猫車
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「駐在所で、仕末が
出来
(
でけ
)
ねえだら、長野へつゝ走つて、何うかして貰ふが
好
(
え
)
いし、長野でも何うも出来ねえけりや、仕方が無えから、村の顔役が
集
(
たか
)
つて、千曲川へでも
投込
(
はふりこ
)
んで了ふが
好
(
え
)
いだ」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「あんた、女が
出来
(
でけ
)
たとじゃな?」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「藁でお餅が
出来
(
でけ
)
るんですか。」
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
着物を取ったんは泥坊と違うて
博奕打
(
ばくちうち
)
やいうのんです、それがだんだん聞いてみますと、ほんまに悪いことは
出来
(
でけ
)
へんもんで
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お互に一寸は楽しみをして気を晴らさんでは辛い勤めは
出来
(
でけ
)
ん、お梅はんの処へ泊っても庄吉にも云わぬじゃ、私が心一つで
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「こなひだ、
芝耕
(
しこう
)
の芝居を見て、すつかり感じたもんやさかい、ちよつくら真似てみたが、なか/\
出来
(
でけ
)
よらんわい。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
これが私の夫ですというて、ひとに紹介も
出来
(
でけ
)
しませんわ。字ひとつ書かしても、そらもう情けないくらいですわ。ちょっとも知性が感じられしませんの。
秋深き
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
そんな事で向うの禅宗寺へ逃込みますと、有難いことにその和尚という奴が、博多の
聖福寺
(
しょうふくじ
)
から出た奴で、私たちの友達ですケニなかなか人物が
出来
(
でけ
)
ております。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だるけん、言葉にも顔色にも出さんごたるこつば、どこだいろで感づツとたあ……。さうすツと、もう、どぎやんも
出来
(
でけ
)
んと……。そん通りイなつてしまふとだもね。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「閑静は閑静やけれど、寂しいえな。よう辛抱
出来
(
でけ
)
るかしらん。」
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
永「いゝや
最
(
も
)
う
何
(
ど
)
うも、もう
出来
(
でけ
)
たかえ、早いのう、今ねえ皆
使
(
つかい
)
に
遣
(
や
)
ったゞ、眞達も庄吉も居ないで退屈じゃア有るし、それに雨が降って来た故」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうそう、そいからその時分にあのいつぞやの観音さんの絵エ
出来
(
でけ
)
上りましたので、それ夫にみせたことありました。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そうやのし。何が良えちゅうたかてのし。兄弟が仲良うお酒のんでお正月
出来
(
でけ
)
るちゅうのが
一番
(
いっち
)
良えのし」
俗臭
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「わたしも縫い物が
出来
(
でけ
)
やせん。お母さんが亡くなってからほんとに武雄はわるくなった」
三つの眼鏡
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
好
(
し
)
いた男となりや、あぎやんとこれ
行
(
い
)
たて、暮すこツたい。吝気しうてしたてちや
出来
(
でけ
)
んし……丸一年、自分の国の言葉ば使はでん居つて見ろな、あんた、どぎやんあつて思ふ。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「よう
出来
(
でけ
)
とるな。この
蟇
(
がま
)
の顔が何とも言へんな。いつ頃の作やつたかなあ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
永「そうかえ、檀家の者も来ぬから一人で一杯遣って居たのよ、おゝ着物がもう
出来
(
でけ
)
たか、
好
(
よ
)
う出来た」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「貴公は皆の中で一番学問が
出来
(
でけ
)
とるけに、
嘸
(
さぞ
)
いくつも詠む事じゃろうのう」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
吝
(
しみ
)
つたれやな、こんなやとお
菰
(
こも
)
に施しも
出来
(
でけ
)
へんがな。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「芳雄ちゃんは下へ行って
団扇
(
うちわ
)
取って来なさい。秀雄ちゃん、あんた兄ちゃんやないか、兄ちゃんが先に下へ行かないけません。さ、お母ちゃんは久し振で叔母ちゃんと話があるのんに、そない引っ着かれたら話が
出来
(
でけ
)
しませんやないか」
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
殊に又邪淫の一戒というて此れを破れば魔界へ落るというくらいの大事なものじゃ、それに酒を飲むことが
出来
(
でけ
)
ん、
飲酒
(
おんじゅ
)
の戒は文珠経にも出てあるじゃ、
宜
(
え
)
えか
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ。やっとこさ話の
出来
(
でけ
)
る
処
(
とこ
)
まで来た」
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
汝
(
おのれ
)
が取次をするから此の様な間違が
出来
(
でけ
)
たのや、サ是を御覧、此の手紙が何よりの証拠や、
私
(
わたい
)
はお前に逢いとうて逢いとうてならぬから、家出をしてお前の
処
(
とこ
)
へ
行
(
ゆ
)
く
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「アハハハ。よう
出来
(
でけ
)
た、よう出来た……」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
林「いかんたって
私
(
わし
)
には
居
(
え
)
られませんよ、旦那様、頭へ
疵
(
けず
)
が
出来
(
でけ
)
ました、こんなに
殴
(
にや
)
して何うにも斯うにも、
其様
(
そん
)
な薄穢い
田舎者
(
えなかもの
)
は
否
(
えや
)
だよッて、
突然
(
いきなり
)
烟管で殴しました」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「フーン。そげな事が
出来
(
でけ
)
るかなあ」
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
花「是は仕様がねえ、じゃア、まアお前さんが剣術遣だから刀に掛けても貰おうというだら
私
(
わし
)
は角力取だから力に掛けても遣る事は
出来
(
でけ
)
ぬと極めた、それより
外
(
ほか
)
は
出来
(
でけ
)
ませんわ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると
先達
(
せんだっ
)
て
前町
(
まえまち
)
の
風呂屋
(
ほろば
)
が休みで、行水を
浴
(
つか
)
った事がありましたろう、此の時ばかり白い肌が見られると思ってると、
悉皆
(
すっかり
)
戸で囲って
覗
(
のぞ
)
く事が
出来
(
でけ
)
ねえ、何うかしてと思ってると
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
はアそうでございますかと指をくわえて
引込
(
ひっこ
)
む事は
出来
(
でけ
)
ぬ、私は馬鹿だ智慧が足りねえから挨拶の仕様を知らぬ、
何卒
(
どうか
)
こうせいと教えて下せえ、お前のいう通り
行
(
や
)
りましょう、ねえ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに妄語戒といって嘘をつくことは
出来
(
でけ
)
ん、えゝか、それに虫けら一ツでも命を取ることは
出来
(
でけ
)
ん、殺生戒といってな、それは/\
出来
(
でけ
)
にくいには違いない、喰い
度
(
た
)
いものも
能
(
よ
)
う喰わず
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とは
何
(
ど
)
うも
能
(
よ
)
く
出来
(
でけ
)
た、
夫
(
それ
)
はさうと君は
大層
(
たいそう
)
好
(
よ
)
い
衣服
(
きもの
)
を
買
(
か
)
うたな、
何所
(
どこ
)
で
買
(
か
)
うた、ナニ
柳原
(
やなぎはら
)
で八十五
銭
(
せん
)
、安いの、
何
(
ど
)
うも
是
(
これ
)
は
色気
(
いろけ
)
が
好
(
よ
)
いの
本当
(
ほんたう
)
に
君
(
きみ
)
は
何
(
なに
)
を着ても
能
(
よ
)
う
似合
(
にあ
)
ふぞ
実
(
じつ
)
に
好男子
(
かうだんし
)
ぢや
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“出来”で始まる語句
出来栄
出来上
出来事
出来損
出来合
出来星
出来悪
出来秋
出来難
出来心