出来しゆつたい)” の例文
旧字:出來
「甚だ御苦労でございますが、ちよつとした事件が出来しゆつたいしましたのです。それにレオニツド・グレゴレヰツチユが市中にゐないものですから。」
阿弥陀あみだいただけるもの、或は椅子に掛かり、或はとこすわり、或は立つて徘徊はいくわいす、印刷出来しゆつたいを待つ徒然つれづれに、機械の音と相競うての高談放笑なかなかににぎはし
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
御出迎へと存じましたる処、おもひも寄らぬ椿事ちんじ出来しゆつたいいたしまして、失礼御免くださりませ。
番町皿屋敷 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ちやうどそのとき酒場にゐあはせた、堅気な人たちや、馬車ひきや、ちよつと立ち寄つただけの客などを集めて、かくかくの次第でまことに困つたことが出来しゆつたいしてしまつたと、一部始終を打ち明けた。
折から矢部やべと云ふ発送係の男、頓驚とんきやうなる声を振り立てて、新聞出来しゆつたいを報ぜしにぞ「其れツ」と一同先きを争うてせ出だせり、村井のみ悠々いう/\として最後にしついでて行けり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
足音あわただしく駆け込み来れる一人「諸君、——実に大変なことが出来しゆつたいした」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)