観音くわんのん)” の例文
旧字:觀音
麻利耶マリヤ観音くわんのん、そんな事を云ふものではありません。あの方もあなたと同じやうに、西洋文明の命の火を胸の中に宿してゐるのですもの。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かまはず韋駄天と向きあつてゐますと、韋駄天とばかり思つてゐましたのが、いつの間にかうつくしい女の姿に変つてゐました。ハテな、とよく見ますと、それは女ではなくて観音くわんのんさまでした。
天童 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
麻利耶マリヤ観音くわんのんに)お母様かあさま! どうかしてやる訳には参りませんか?
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
客の一人、わたしは麻利耶マリヤ観音くわんのんが笑つたやうに見えた。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)