とら)” の例文
季弟きてい孝友こうゆうまたとらえられてまさりくせられんとす。孝孺之を目してなんだ下りければ、流石さすがは正学の弟なりけり
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
〔評〕幕府勤王の士をとらふ。南洲及び伊地知正治いぢちまさはる海江田武治かいえだたけはる等尤も其の指目しもくする所となる。僧月照げつせう嘗て近衞公の密命みつめいふくみて水戸に至る、幕吏之をもとむること急なり。
都指揮使謝貴しゃき七衛しちえいの兵、ならびに屯田とんでんの軍士を率いて王城を囲み、木柵ぼくさくを以て端礼門たんれいもん等のみちを断ちぬ。朝廷よりは燕王の爵を削るのみことのり、及び王府の官属をとらうべきの詔至りぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
壬申じんしんの日、王、やまいえぬと称し、東殿とうでんに出で、官僚の賀を受け、人をして昺と貴とを召さしむ。二人応ぜず。また内官をつかわして、とらわるべき者を交付するを装う。二人すなわち至る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)