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執
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とら
ふりがな文庫
“
執
(
とら
)” の例文
乃
(
すなわ
)
ち
曹国公
(
そうこくこう
)
李景隆
(
りけいりゅう
)
に命じ、兵を調して
猝
(
にわか
)
に河南に至り、周王
橚
(
しゅく
)
及び
其
(
そ
)
の
世子
(
せいし
)
妃嬪
(
ひひん
)
を
執
(
とら
)
え、爵を削りて
庶人
(
しょじん
)
となし、
之
(
これ
)
を
雲南
(
うんなん
)
に
遷
(
うつ
)
しぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
隷官はその乞児に意味があるだろうと思って、すかさず
執
(
とら
)
えて庁に帰った。張廷栄は再三これを
鞫問
(
きくもん
)
した。それは猴の主人を毒殺した相手の乞児であった。
義猴記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼
(
か
)
れもし行きめぐりて人を
執
(
とら
)
えて
召
(
めし
)
集
(
あつ
)
め(すなわち裁判官が巡回して犯罪人を捕え集めて裁判する如くし)給う時は誰かよくこれを
阻
(
はば
)
まんや、彼は偽る人を
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
が、非力な伊豆をいつぺんに跳ね返すと、あべこべに伊豆の首筋を
執
(
とら
)
へて有無を言はさず絞めつけた。伊豆はばたばた踠いて危く悶絶するところまでいつた。
小さな部屋
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
外道
(
げどう
)
等
常見
(
じょうけん
)
に
執
(
とら
)
われ、すなわちいわく、『過去、未来、現在、ただこれ一識にして
遷謝
(
せんしゃ
)
あることなし』と。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
▼ もっと見る
デンネットの『フィオート民俗記』に、コンゴ河辺に鱷に化けて船を
覆
(
かえ
)
し、乗客を
執
(
とら
)
え売り飛ばす人ありといえるは、目蓮等が神通で竜に化した仏説に似たり。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一度こういった記念の書を出そうと思い立って、それにいつまでも
執
(
とら
)
われていなかったら、あるいはもう少し安らかな、人を楽しましめる雑記が出来たかも知れぬ。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
由来が
執拗
(
しつよう
)
なる迷信に
執
(
とら
)
えられた僕であれば、もとよりあるいは玄妙なる哲学的見地に立って、そこに立命の基礎を作り、またあるいは深奥なる宗教的見地に
居
(
お
)
って
おばけずきのいわれ少々と処女作
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宝永六年
羅馬
(
ローマ
)
伝教師シロテの来りて
執
(
とら
)
わるるに際し、我が俊敏にして精識なる新井白石が、これと問答して異聞を記したるものを見るに、その問答の調子、何となく一致せず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
イエスを
売
(
わた
)
す者かれらに
号
(
しるし
)
をなして
曰
(
い
)
ひけるは我が
接吻
(
くちづけ
)
する者は
夫
(
それ
)
なり之を
執
(
とら
)
へよ。直にイエスに来りラビ安きかと曰て彼に
接吻
(
くちづけ
)
す。イエス彼に曰けるは、友よ何の為に来るや。
接吻
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
激怒が再び彼の父を
執
(
とら
)
えた。父は、その拳がいたくなる位、はげしく息子の頭を打った。打っている中に次第に病的な兇暴さが加ってくるのが、
打
(
ぶ
)
たれている三造にまで感じられた。
プウルの傍で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そこには細君と一人の下男とが一つの
杯
(
さかずき
)
の酒を飲みあっていたが、その
状
(
さま
)
がいかにも
狎褻
(
おうせつ
)
であるから周は火のようになって怒り、二人を
執
(
とら
)
えようと思ったが、一人では勝てないと思いだしたので
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
鎮江
(
ちんこう
)
の
戦
(
たたかい
)
に、
執
(
とら
)
えられて
縛
(
ばく
)
せらるゝや、勇躍して縛を断ち、
刀
(
とう
)
を持てる者を殺して脱帰し、
直
(
ただち
)
に衆を導いて城を
陥
(
おと
)
しゝことあり。勇力察す
可
(
べ
)
し。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
次には「またその強き
歩履
(
あゆみ
)
は
狭
(
せば
)
まり、その計るところは自分を陥しいる、すなわちその足に
逐
(
お
)
われて網に到り、また
陥阱
(
おとしあな
)
の上を歩むに
索
(
なわ
)
その
踵
(
くびす
)
に
纏
(
まつわ
)
り
罠
(
わな
)
これを
執
(
とら
)
う」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
『
春秋繁露
(
しゅんじゅうはんろ
)
』におよそ卿に
贄
(
にえ
)
とるに
羔
(
こひつじ
)
を用ゆ。羔、角あれども用いず、仁を好む者のごとし。これを
執
(
とら
)
うれども鳴かず、これを殺せども
号
(
さけ
)
ばず、義に死する者に類す。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
曾は
執
(
とら
)
えられて刑場へ往ったが、胸の中には無実の罪で殺されるという怒りが一ぱいになっていた。
続黄梁
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
麻油は驚いた。が
非力
(
ひりき
)
な伊豆をいっぺんに
跳
(
は
)
ね返すと、あべこべに伊豆の首筋を
執
(
とら
)
えて有無を云わせずに
絞
(
し
)
めつけた。伊豆はばたばた
踠
(
もが
)
いて危く
悶絶
(
もんぜつ
)
するところまでいった。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
遂に彼等進み来り手をイエスに
措
(
かけ
)
て
執
(
とら
)
へぬ。——
馬太
(
マタイ
)
伝廿六章
接吻
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
前には将門の妻が
執
(
とら
)
へられ、今は貞盛の妻が
執
(
とら
)
へられた。時計の針は十二時を指したかと思ふと六時を指すのだ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは普通の民家でこしらえる
衣
(
きもの
)
ではなかった。昨日まで
朝夕
(
あさばん
)
の
生活
(
くらし
)
に困っていたものがそうした衣を着たので、たちまち周囲の疑惑を招いた。青年はたちまち
執
(
とら
)
えられた。
賈后と小吏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
理解もよい人にして、なおこんな愚説を信ずる一事だと言ったが、フェーラーが言ったごとく、蛇に
執
(
とら
)
われ
啖
(
く
)
わるるまで一向蛇を恐れぬ動物も、やはり蛇に魅せられるから
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
後
(
のち
)
戦功を
以
(
も
)
って累進して将となり、
蜀
(
しょく
)
を征し、
雲南
(
うんなん
)
を征し、
諸蛮
(
しょばん
)
を平らげ、雄名世に
布
(
し
)
く。建文元年
耿炳文
(
こうへいぶん
)
に従いて燕と戦う。炳文敗れて、成
執
(
とら
)
えらる。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
魔法を以て羅摩兄弟を
執
(
とら
)
え、パノチに牲せんとした時、ハヌマンその祠に乱入してパノチを踏み
潰
(
つぶ
)
し二人を救うた縁により、右様の厄年の人は断食してハヌマンに祷れば無難だ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
行方河内両郡の食糧を奪つたものを
執
(
とら
)
へんとするものを、
寃枉
(
ゑんわう
)
を好むとは云ひ難い。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
熊楠諸国を遍歴して深く一
塵
(
じん
)
一
屑
(
せつ
)
をも破壊するてふ事の甚だ一国一個人の気質品性を損するを知り、昼夜奔走苦労してその筋へ進言し、議会でも弁じもらい、ついに
囹圄
(
れいご
)
に
執
(
とら
)
わるるに至って悔いず。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
“執”を含む語句
執拗
執着
執念
執行
偏執狂
妄執
執心
執念深
偏執
執著
執事
執成
執政
執金剛神
我執
固執
確執
愛執
御執心
執達吏
...