とら)” の例文
それをこらへてお前を人にとられるのを手出しもずに見てゐる僕の心地こころもちは、どんなだと思ふ、どんなだと思ふよ! 自分さへ好ければひとはどうならうともお前はかまはんのかい。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いためしとてつゑすがりて參りし處惡い駕籠舁かごかきどもに付込れ當底たう/\あざむかれ乘て參りたるが今頃いまごろは此熊谷土手の中程なかほどにて路金も女も定めしとられ給ひしならんアヽ思ひ出しても可愛かあいさうな事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はっと思ってると、わたくしの懐へ手を入れて逃げてきましたから、何をやアがると云って、あとで見ますと金が有りませんから、小僧の使つかいではなし、金を泥坊にとられたといって帰られもせず
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)