“促(せ)” の例文
騒動が鎮まると、夫人は約束通り貧民視察に出掛けるのだと言つて、吉兵衛氏を促(せ)き立てて自動車に乗つた。
竹田も『神の子』も促(せ)く仕事があるとかで、今夜は徹夜をして居る。三公も、市公もみな留守である。宅には手の無い少年の津田とおみつが隅の方に寝て居るばかりである。
関雪氏は名残を惜むで、寝台でもぞもぞしてゐる麦僊氏を促(せ)き立てて食堂へ入つて往つた。そして麦酒(ビール)の大洋盃(コツプ)を言ひつけた。酒に弱い麦僊氏は、酒飲みの関雪氏の前には一溜(たまり)もなかつた。