佝僂くる)” の例文
そして淡色の背を佝僂くるのやうに円めたのが、内緒事でも見つけられたやうに気恥しさうに、こそこそとそこらの物蔭に紛れ込んでしまつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
この佝僂くる病が人間性の上にのこされているうちに、まだわたしたちの精神が十分強壮、暢達なものと恢復しきらないうちに、その歪みを正常化するような社会事情を準備し
現代の主題 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
飛仙となつて、羽ばたきの音けたたましく大空を翔けめぐるべきはずだつた馬明生の体は、見る見るうちに佝僂くるのやうに折れ曲つて、やがて小さな地仙となつてしまつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)