トップ
>
苦
>
くる
ふりがな文庫
“
苦
(
くる
)” の例文
「お
母
(
かあ
)
さん、
苦
(
くる
)
しい?」と、
勇吉
(
ゆうきち
)
は、
母親
(
ははおや
)
のまくらもとにつききりで、
気
(
き
)
をもんでいましたが、なんと
思
(
おも
)
ったか、
急
(
きゅう
)
に
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がって
一粒の真珠
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
で、その
白鳥
(
はくちょう
)
は、
今
(
いま
)
となってみると、
今
(
いま
)
まで
悲
(
かな
)
しみや
苦
(
くる
)
しみにさんざん
出遭
(
であ
)
った
事
(
こと
)
が
喜
(
よろこ
)
ばしい
事
(
こと
)
だったという
気持
(
きもち
)
にもなるのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼
(
かれ
)
は
苦
(
くる
)
しさに
胸
(
むね
)
の
邊
(
あたり
)
を
掻
(
か
)
き
毟
(
むし
)
り、
病院服
(
びやうゐんふく
)
も、シヤツも、ぴり/\と
引裂
(
ひきさ
)
くので
有
(
あ
)
つたが、
施
(
やが
)
て
其儘
(
そのまゝ
)
氣絶
(
きぜつ
)
して
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
倒
(
たふ
)
れて
了
(
しま
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
静かな
小路
(
こうぢ
)
の
中
(
うち
)
に、自分の
足音
(
あしおと
)
丈が高く
響
(
ひゞ
)
いた。代助は
馳
(
か
)
けながら猶恐ろしくなつた。
足
(
あし
)
を
緩
(
ゆる
)
めた時は、非常に
呼息
(
いき
)
が
苦
(
くる
)
しくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
多分
(
たぶん
)
被害者
(
ひがいしゃ
)
は、
苦
(
くる
)
しみもがき、
金魚鉢
(
きんぎょばち
)
のところまで
這
(
は
)
いよつてきて、
口
(
くち
)
をゆすぐか、または、
鉢
(
はち
)
の
中
(
なか
)
の
水
(
みず
)
を
飲
(
の
)
もうとしたのだろう。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
▼ もっと見る
「
否
(
いいえ
)
、」とお
母
(
かあ
)
さんが
言
(
い
)
った。「わたしは
胸
(
むね
)
が
苦
(
くる
)
しくって、
歯
(
は
)
がガチガチする。それで
脈
(
みゃく
)
の
中
(
なか
)
では、
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えているようですわ。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
おつぎもお
品
(
しな
)
が
死
(
し
)
んでから
苦
(
くる
)
しい
生活
(
せいくわつ
)
の
間
(
あひだ
)
に二たび
春
(
はる
)
を
迎
(
むか
)
へた。おつぎは
餘儀
(
よぎ
)
なくされつゝ
生活
(
せいくわつ
)
の
壓迫
(
あつぱく
)
に
對
(
たい
)
する
抵抗力
(
ていかうりよく
)
を
促進
(
そくしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あいつはぼくたちをさんざん
苦
(
くる
)
しめたけど、あそこで、しょんぼりしているところを見たら、ほんとにかわいそうになりましたよ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
父も家庭に対する
苦
(
くるし
)
み、妻子に対する
苦
(
くるし
)
み、社会に対する
苦
(
くる
)
しみ——
所謂
(
いはゆる
)
中年の
苦痛
(
くるしみ
)
を
抱
(
いだ
)
いて、
其
(
その
)
時
此
(
こ
)
の狭い汚い町を
通
(
とほ
)
つたに
相違
(
さうゐ
)
ない。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
それより
一同
(
いちどう
)
種々
(
いろ/\
)
申
(
まを
)
して
渠
(
かれ
)
を
御前
(
ごぜん
)
にわびたりければ、
幼君
(
えうくん
)
ふたゝび
御出座
(
ごしゆつざ
)
ありて、
籠中
(
かごのなか
)
の
人
(
ひと
)
に
向
(
むか
)
はせられ、「
其方
(
そのはう
)
さほどまでに
苦
(
くる
)
しきか」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
下等船客
(
かとうせんきやく
)
の
一
(
いち
)
支那人
(
シナじん
)
はまだ
伊太利
(
イタリー
)
の
領海
(
りやうかい
)
を
離
(
はなれ
)
ぬ、
頃
(
ころ
)
より
苦
(
くる
)
しき
病
(
やまひ
)
に
犯
(
おか
)
されて
遂
(
つひ
)
にカンデイア
島
(
じま
)
とセリゴ
島
(
じま
)
との
間
(
あひだ
)
で
死亡
(
しぼう
)
した
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼女
(
かのじよ
)
はその
苦痛
(
くつう
)
に
堪
(
たへ
)
られさうもない。けれども
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
を
翳
(
かざ
)
して
漂
(
たゞよ
)
つて
來
(
く
)
る
不安
(
ふあん
)
は、それにも
増
(
ま
)
して
彼女
(
かのぢよ
)
を
苦
(
くる
)
しめるであらう。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ガバ、ガバ、と二つ三つ
苦
(
くる
)
しげな
息
(
いき
)
をしているうちに、波紋にまかれ、竹童のかげは、青ぐろい
池
(
いけ
)
のそこへ見えなくなった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
〔評〕南洲
壯時
(
さうじ
)
角觝
(
かくてい
)
を好み、
毎
(
つね
)
に壯士と角す。人之を
苦
(
くる
)
しむ。其
守庭吏
(
しゆていり
)
と爲るや、
庭
(
てい
)
中に
土豚
(
どとん
)
を
設
(
まう
)
けて、
掃除
(
さうぢよ
)
を
事
(
こと
)
とせず。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
といって、あのうまそうなおかしだの、にしめだののならべてある店の前に立つと、ただ
苦
(
くる
)
しくなってくるばかりです。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
鬼
(
おに
)
の
大将
(
たいしょう
)
は、
桃太郎
(
ももたろう
)
の
大力
(
だいりき
)
で
首
(
くび
)
をしめられて、もう
苦
(
くる
)
しくってたまりませんから、
大
(
おお
)
つぶの
涙
(
なみだ
)
をぼろぼろこぼしながら
桃太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
海蔵
(
かいぞう
)
さんは
苦
(
くる
)
しそうに
笑
(
わら
)
って、
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
てゆきました。そして、
溝
(
みぞ
)
のふちで、かやつり
草
(
ぐさ
)
を
折
(
お
)
って、
蛙
(
かえる
)
をつっていました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
こりゃ、しっかりとお
爲
(
し
)
やらう! つい
最前
(
いまがた
)
まで
戀
(
こひ
)
しさに
死
(
し
)
ぬる
苦
(
くる
)
しみを
爲
(
し
)
てござった
其
(
その
)
戀人
(
こひゞと
)
のヂュリエットは
恙
(
つゝが
)
ない。すれば、それが
先
(
ま
)
づ
幸福
(
しあはせ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それから、小さいニールスは、家も食べ物も何もない、野の
生
(
い
)
き物たちと生活をともにして、小さな生き物たちの
苦
(
くる
)
しみや
悲
(
かな
)
しみをつぶさに知ります。
「ニールスのふしぎな旅 下」まえがき
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
人知
(
ひとし
)
れず
忍
(
しの
)
んできた同じような
苦
(
くる
)
しみとお
互
(
たがい
)
の
憐
(
あわ
)
れみの
気持
(
きもち
)
とが、悲しいやさしみをもって二人を
結
(
むす
)
びつけていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
博士は
親切
(
しんせつ
)
にすすめた。ところが
透明人間
(
とうめいにんげん
)
は、
苦
(
くる
)
しそうにうなり声をたてながら、どうしても
眠
(
ねむ
)
ろうとしなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
も
斯
(
かく
)
苦
(
くる
)
しめる事是皆
露顯
(
ろけん
)
の小口となり
彼
(
かの
)
道十郎の後家お光が
※
(
はか
)
らず
訴
(
うつた
)
へ出る樣に成けるは
天命
(
てんめい
)
の然らしめたる所なり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それですから人民が榮えて、勞役に出るのに
苦
(
くる
)
しみませんでした。それでこの御世を稱えて
聖
(
ひじり
)
の御世と申します。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
四邊
(
あたり
)
は
其香
(
そのにほ
)
ひで
大變
(
たいへん
)
でした。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
でさへも、
坊
(
ぼ
)
ッちやんと
殆
(
ほと
)
んど
交
(
かは
)
る/″\
嚏
(
くさめ
)
をして、
噎
(
む
)
せる
苦
(
くる
)
しさに
互
(
たがひ
)
に
頻切
(
しツきり
)
なしに
泣
(
な
)
いたり
喚
(
わめ
)
いたりして
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
で、
新婚生活
(
しんこんせいくわつ
)
は七十円
足
(
た
)
らずの月
給
(
きふ
)
で
始
(
はじ
)
められたが、
間
(
ま
)
もなく女の子が生れた上に、
世間的
(
せけんてきな
)
な
物價騰貴
(
ぶつかとうき
)
で、その
後
(
ご
)
の
暮
(
くら
)
しはだん/\
苦
(
くる
)
しくなるばかりだつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ではみんなよ、
早
(
はや
)
く
大
(
おお
)
きくなつて、
君
(
きみ
)
たちも
勇敢
(
ゆうかん
)
なプロレタリアの
鬪士
(
とうし
)
となつて、
君
(
きみ
)
たちや
君
(
きみ
)
たちのお
父
(
とう
)
さんお
母
(
かあ
)
さんを
苦
(
くる
)
しめてゐる
奴
(
やつ
)
らを
叩
(
たゝ
)
きのめしてくれ!
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
こんな
苦
(
くる
)
しい
道中
(
どうちゅう
)
のことでございますから、
御服装
(
おみなり
)
などもそれはそれは
質素
(
しっそ
)
なもので、
足
(
あし
)
には
藁沓
(
わらぐつ
)
、
身
(
み
)
には
筒袖
(
つつそで
)
、さして
男子
(
だんし
)
の
旅装束
(
たびしょうぞく
)
と
相違
(
そうい
)
していないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
が、
苦
(
くる
)
しみは
少
(
すこ
)
しもない。
唯
(
ただ
)
胸
(
むね
)
が
冷
(
つめ
)
たくなると、一
層
(
そう
)
あたりがしんとしてしまつた。ああ、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
靜
(
しづ
)
かさだらう。この
山陰
(
やまかげ
)
の
藪
(
やぶ
)
の
空
(
そら
)
には、
小鳥
(
ことり
)
一
羽
(
は
)
囀
(
さえづ
)
りに
來
(
こ
)
ない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは
猫
(
ねこ
)
のため、
兒猫
(
こねこ
)
のため、五
寸
(
すん
)
にたらぬ
小
(
ちひ
)
さな
猫
(
ねこ
)
一
匹
(
ぴき
)
で、五
尺
(
しやく
)
に
近
(
ちか
)
い
體
(
からだ
)
を
持
(
も
)
てあます。
苦
(
くる
)
しい。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
カムパネルラは、なぜかそう
言
(
い
)
いながら、少し顔いろが青ざめて、どこか
苦
(
くる
)
しいというふうでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
旦那
(
だんな
)
さまへ
對
(
たい
)
して
何事
(
なにごと
)
の
恨
(
うら
)
みも
無
(
な
)
い、あのやうに
苦
(
くる
)
しませて
下
(
くだ
)
さつた
故
(
ゆゑ
)
今日
(
けふ
)
の
樂
(
たの
)
しみが
樂
(
たの
)
しいので、
私
(
わたし
)
がいくらか
物
(
もの
)
の
解
(
わか
)
るやうに
成
(
な
)
つたもあゝいふ
中
(
なか
)
を
經
(
へ
)
た
故
(
ゆゑ
)
であらう
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
或
(
ある
)
ときも
無聊
(
ぶれう
)
に
苦
(
くる
)
しんでゐた
折
(
おり
)
、
誰
(
たれ
)
かを
訪問
(
ほうもん
)
しようかと
言
(
い
)
ひ
合
(
あ
)
つてゐるときS、H
氏
(
し
)
の
名
(
な
)
が
出
(
で
)
た。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
平常
(
よのつね
)
に
聞
(
き
)
くは
苦
(
くる
)
しき
喚子鳥
(
よぶこどり
)
こゑなつかしき
時
(
とき
)
にはなりぬ 〔巻八・一四四七〕 大伴坂上郎女
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
熱の出たと云う事よりも
苦
(
くる
)
しい事である。父は、あんまりの心配から、腹立たしい様に
熱
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
私は
默
(
もく
)
して
只
(
たゞ
)
歩
(
あゆみ
)
を運んだ。
實際
(
じつさい
)
何
(
なん
)
と云ツて可いやら、些と
返答
(
へんたう
)
に
苦
(
くる
)
しんだからである。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
百
剣林立
(
けんりんりつ
)
のあいだといえども吾れいかんという、なに、そんな
固
(
かた
)
ッ
苦
(
くる
)
しいことは言わないが、とにかく、
怖
(
こわ
)
いという感情を生れる時に忘れて来た、意地と張りとで固まっている美女
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
強盜
(
がうとう
)
と
間違
(
まちが
)
へられた
憤慨
(
ふんがい
)
紛
(
まぎ
)
れに、
二人
(
ふたり
)
はウン/\
汗
(
あせ
)
を
絞
(
しぼ
)
りながら、一
里
(
り
)
餘
(
よ
)
の
道
(
みち
)
を
境
(
さかい
)
の
停車場
(
ていしやば
)
に
出
(
い
)
で、
其夜
(
そのよ
)
の
汽車
(
きしや
)
に
乘
(
の
)
つて、
品川
(
しながは
)
まで
歸
(
かへ
)
つたが、
新宿
(
しんじゆく
)
の
乘替
(
のりかへ
)
で、
陸橋
(
ブリツチ
)
を
上下
(
じやうげ
)
した
時
(
とき
)
の
苦
(
くる
)
しさ。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
著者
(
ちよしや
)
は
大正十二年
(
たいしようじゆうにねん
)
の
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
の
際
(
さい
)
、
東京帝國大學内
(
とうきようていこくだいがくない
)
地震學教室
(
ぢしんがくきようしつ
)
にあつて、
水無
(
みづな
)
しに
消防
(
しようぼう
)
に
從事
(
じゆうじ
)
した
苦
(
くる
)
しい
經驗
(
けいけん
)
を
有
(
ゆう
)
してゐるが、
水
(
みづ
)
の
用意
(
ようい
)
があつての
消防
(
しようぼう
)
に
比較
(
ひかく
)
して
其
(
その
)
難易
(
なんい
)
を
説
(
と
)
くことは
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
江戸の
児曹
(
こども
)
が春の遊は、女
児
(
こ
)
は
繍毬
(
てまり
)
羽子擢
(
はごつき
)
、男
児
(
ご
)
は
紙鴟
(
たこ
)
を
揚
(
あげ
)
ざるはなし。我国のこどもは春になりても前にいへるごとく地として雪ならざる処なければ、
歩行
(
ほかう
)
に
苦
(
くる
)
しく
路上
(
みちなか
)
に遊をなす事
少
(
すくな
)
し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
妾
(
わらは
)
こそは中宮の曹司横笛と申すもの、
隨意
(
まゝ
)
ならぬ世の義理に隔てられ、世にも厚き
御情
(
おんなさけ
)
に心にもなき
情
(
つれ
)
なき事の
數々
(
かず/\
)
、只今の御身の上と聞き
侍
(
はべ
)
りては、悲しさ
苦
(
くる
)
しさ、
女子
(
をなご
)
の狹き胸一つには納め得ず
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
いっせいに悲しげな
苦
(
くる
)
しげな声が上がりました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
おれたちの
胸
(
むね
)
は
凱歌
(
がいか
)
を
挙
(
あ
)
げるには
苦
(
くる
)
し
過
(
す
)
ぎる
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
自分の
苦
(
くる
)
しさを思ひ出してみることです。
春の詩集
(新字旧仮名)
/
河井酔茗
(著)
「
苦
(
くる
)
しい
刹那
(
せつな
)
」のごとく、
黄
(
き
)
ばみかけて
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あな、あはれ、あすゆゑに、夕暮
苦
(
くる
)
し
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
解けぬ思ひの
苦
(
くる
)
しくもあるかな
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「
苦
(
くる
)
しみとは
何
(
なに
)
か。」
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
苦
(
くる
)
しむも
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
お
母
(
かあ
)
さんは、お
母
(
かあ
)
さんで、まだ
年
(
とし
)
のいかない、だいじな、かわいい
子
(
こ
)
を
手
(
て
)
もとからはなすのは
身
(
み
)
を
裂
(
さ
)
かれるような
苦
(
くる
)
しみでありました。
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
新年
(
しんねん
)
が
停滯
(
もたれ
)
てゐるのは
實
(
じつ
)
に
苦
(
くる
)
しいですよ。
夫
(
それ
)
で
今日
(
けふ
)
の
午
(
ひる
)
から、とう/\
塵世
(
ぢんせい
)
を
遠
(
とほ
)
ざけて、
病氣
(
びやうき
)
になつてぐつと
寐込
(
ねこ
)
んぢまいました。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“苦”の意味
《名詞》
(ク)苦しいこと、辛いこと
(出典:Wiktionary)
“苦(苦(仏教))”の解説
仏教における苦(く、pi: dukkha、sa: दुःख, duḥkha、蔵: )とは、苦しみや悩み、精神や肉体を悩ませる状態を指す。対義語は楽。
仏教は無常、苦、無我の3つで三相を形成する。四諦の4つすべては苦に関する真理である。仏教は、この苦の滅尽をめざす学問体系である。
(出典:Wikipedia)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
“苦”を含む語句
苦力
苦笑
苦悩
苦悶
苦痛
辛苦
苦情
苦慮
苦患
苦勞
心苦
苦汁
困苦
労苦
苦衷
滅茶苦茶
苦味
苦行
苦役
苦難
...