くる)” の例文
新字:
せしめたのだ何處どこからもしりくる氣遣はねへしめろ/\と一同に飛懸らんずる樣子やうすゆゑ半四郎は心の中にさては此奴等我は年端としはゆかぬ若者とあなどおつな處へ氣を廻し酒代を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くる早々小使錢もないのを渠等に見透かされるのが厭であつたからである。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
其日そのひにちものおほせられず、一にちおいてよりははしおろしに、此家このやしな無代たゞでは出來できぬ、しゆうものとて粗末そまつおもふたらばちあたるぞえとれの談義だんぎくるひとごとげられてわかこゝろにははづかしく
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
立ち出で半醉機嫌ほろゑひきげん鮫洲濱さめずはま繩手道なはてみち辿たどり/\て鈴ヶ森に來り並木なみきかげに身を忍ばせ彼の飛脚のくる
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よろこび心の中には此位このくらゐなら節季せつき師走しはすの中を來らず共能にと思ひけるゆゑ兄さん御前は夫でよからうが私は道々も明暮あけくれお前の事のみあんじられて斯して態々わざ/\くるからはせめては死目しにめ逢度あひたしと思ひて何なにか苦勞くらう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)