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節季
尤も
師走に想像を
逞しくしてはならぬと申し渡された次第でないから、
節季に正月らしい振をして何か書いて置けば、年内に
餅を
搗いといて
農夫の立場から見れば、
嫁取・
聟入・御産・元服・
節季・正月などという語と同じ程度に、胸の
轟きなしには用いることのできぬ語であった。
莞爾として
聞きながら、よし/\
其もよし、
蒲鉾は
旅店の
口取でお
知己、
烏賊の
鹽辛は
節季をかけて
漬物屋のびらで
知る
通、
外郎は
小本、
物語で
懇意なるべし。
撫否然樣云るゝと實に
面目次第もなし併し年中御世話にばかりなり其上
節季師走押迫ての金の
才覺餘り心なしに
御話しも出來ぬゆゑ
據ころなく淺草田町の利兵衞と云國者を