くるめ)” の例文
私は、目がくるめいて四辺あたりが暗くなる様な気がすると、忽ち、いふべからざる寒さが体中ををののかせた。皆から三十間も遅れて、私も村の方に駈け出した。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
或場処は路が対岸に移るやうになつてゐる為に、危い略彴まるきばしが目のくるめくやうな急流に架つて居るのを渡つたり、又少時しばらくして同じやうなのを渡り反つたりして進んだ。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
己はたゞ目のくるめくようなフット、ライトが、自分の前に炎々えん/\と燃えて居て、其の向うに、満場の見物人の無数の顔が、非常に微かに、かすみのかゝった空の如くちらちらしたのを覚えて居る。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
くるめかしい太陽のかんかん照りつけている長い夏の一日を、どんなに夢中になって私が、その辺一帯を足を棒にして歩き回ったかは、到底先生にも想像していただけないであろうと思われます。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
私は、目がくるめいて四邊あたりが暗くなる樣な氣がすると、忽ち、いふべからざる寒さが體中ををのゝかせた。皆から三十間も遲れて、私も村の方に駈け出した。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
場処ばしょは路が対岸に移るようになっているために、あやう略彴まるきばしが目のくるめくような急流にかかっているのを渡ったり、また少時しばらくして同じようなのを渡りかえったりして進んだ。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
源助に促されて硝子戸の中に入ると、目がくるめく程明るくて、壁に列んだ幾面の大鏡、洋燈ランプが幾つも幾つもあつて、白い物を着た職人が幾人も幾人もゐる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)