紛糾いざこざ)” の例文
「娘は可愛いだらうが、武家の紛糾いざこざといふ奴は、惡いおでき見たいに根が深くて、うつかり手を付けると、ひどい目に逢はされるぜ」
親孝行のお蝶が親よりも更に大事な人を見付けだしたという紛糾いざこざに相違ない。稼業が稼業だけに、それをやかましく云うのも野暮やぼだと半七は思った。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
結局、どちらにがあるといふこともない儘に、紛糾いざこざはいつ果てるともつかなかつた。……
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
要するにこれは芸人仲間の紛糾いざこざから根を引いての意趣晴しに過ぎないかも知れない。
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
そこにおひろもいて、話がまた紛糾いざこざきたした。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「氣が揉めるのかい、——あの娘は綺麗過ぎるから、いろ/\紛糾いざこざが起るんだよ。あの顏を見たとたんに、俺は三千兩の行方ゆくへが判るやうな氣がしたよ」
するような女じゃあ、ほかにも又いろいろの紛糾いざこざがあるだろう。そこで、お前はこれからどうする
半七捕物帳:08 帯取りの池 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「気がめるのかい、——あの娘は綺麗すぎるから、いろいろ紛糾いざこざが起るんだよ。あの顔を見たとたんに、俺は三千両の行方ゆくえが解るような気がしたよ」
「第一、御武家方の紛糾いざこざは畠違ひで御座います」
「第一、御武家方の紛糾いざこざは畠違いでございます」