“いざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イザ
語句割合
膝行44.2%
12.6%
12.6%
5.3%
居去3.2%
去来2.1%
2.1%
紛雜2.1%
膝去2.1%
行脚2.1%
(他:11)11.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
床の上に寝かして、簡単な供え物をしただけ、膝行いざり寄って、それを一と眼見た平次が、ハッと息を呑んだほど、それはよく兄の岩太郎に似て居りました。
銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
膝行いざつて、……雪枝ゆきえ伸上のびあがるやうにひざいて、そでのあたりををがんだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
膝行いざり寄る。なかば夢心地の屑屋は、前後の事を知らぬのであるから、武士さむらいて、其の剣術にすがつても助かりたいと思つたのである。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
次の日曜がまた幸いな暖かい日和ひよりをすべてのつとにんに恵んだので、敬太郎は朝早くから須永を尋ねて、郊外にいざなおうとした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが、いざなっていったその千種屋が、番頭の言葉だとあまり上等ではなかろうと思われたのに、どうしてなかなか容易ならぬ上宿なのです。
小次郎はそれを追っかけて行ったが、それは自分から追っかけるというより、姥の力が小次郎に働き、いざなって行くといった方が、あたっているように思われた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
石割もそう云いながら、わなわなふるえだして、彼は法水の声するかたに、両手で卓子テーブルを捜りながら、いざり寄って行くのだった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼は三日前のあの夜、薪左衛門の屋敷で、ああいう事件に逢ったが、それからいざり車を押して、栞共々、庭から屋内へ、薪左衛門を運び入れた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
李逵りきが息をつめていると、やがてのこと、牝は要心ぶかく、まずその尻ッ尾で洞壁を一ト払いしてから、徐々と後ろさがりに、奥へいざりこんできた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌朝よくあさは女が膳を運んで来たが、いざとなると何となく気怯きおくれがして、今はいそがしそうだから、昼の手隙てすきの時にしよう、という気になる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いざと云ふ場で貴方の腕が鈍つても、決して為損しそんじの無いやうに、私刃物きれものをお貸し申しませう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いざさらば心試こゝろだめしにはいまゐらせん、殿との我心わがこゝろ見給みたま
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一間ばかりの所を一朝かかって居去いざって、もとの処へかろうじて辿着たどりつきは着いたが、さて新鮮の空気を呼吸し得たは束の間
かれ居去いざりつつ捜寄さぐりよれば、たもとありて手頭てさきに触れぬ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惣八郎は居去いざりながら、匕首を取り上げて、甚兵衛に目礼した。
恩を返す話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
娘は去来いざとてふたゝび柴籠をせおひうちつれて立さりけり。
娘は去来いざとてふたゝび柴籠をせおひうちつれて立さりけり。
その声を聞くとひとしく、文三起上たちあがりは起上ッたが、えた胸もいざとなれば躍る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
欧洲列強間の利害は各々相扞格あいかんかくしていても、根が同文同種同宗教の兄弟国だから、いざとなれば平時の葛藤を忘れて共通の敵たる異人種異宗教の国に相結んであたるは当然あり得べき事だ」と、人種競争の避くべからざる所以ゆえんを歴史的に説いて「この覚悟で国民の決心を固め
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ひととの紛雜いざなどはよしつたにしろれはつねことにもかゝらねばなにしにものおもひませう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すこしやそつとの紛雜いざがあろうとも縁切ゑんきれになつてたまものか、おまへかた一つでうでもなるに、ちつとはせいして取止とりとめるやうにこゝろがけたらかろ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何しに降つて沸いた事もなければ、人との紛雜いざなどはよし有つたにしろ夫れは常の事、氣にもかゝらねば何しに物を思ひませう、私の時より氣まぐれを起すは人のするのでは無くて皆心がらの淺ましい譯がござんす、私は此樣な賤しい身の上、貴君は立派なお方樣
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
引掴ひッつかんで膝去いざり出した、煙草入れ押戻しさまに、たじたじとなって、摺下ずりさがって、
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「で、ございますかな。」とようよう膝去いざり出して、遠くから、背を円くして伸上って、腕を出して、巻莨まきたばこに火をけたが、お蔦が物指ものさしを当てた襦袢じゅばんの袖が見えたので、気にして、慌てて、引込める。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
静かに行脚いざり寄って来た女、井上半十郎に寄りそうように、銚子を取り上げました。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
平次は行脚いざり寄って、渋紙と麻縄と蓋を見ました。
また葛城かづらきの野の伊呂賣いろめに娶ひて、生みませる御子、伊奢いざ麻和迦まわかの王一柱。
かれ高木の入日賣の御子、額田ぬかだ大中おほなか日子ひこの命、次に大山守おほやまもりの命、次に伊奢いざの眞若の命、次にいも大原の郎女いらつめ、次に高目たかもくの郎女五柱。
また大毘古おほびこの命が女、御眞津みまつ比賣の命に娶ひて、生みませる御子、伊玖米入日子伊沙知いくめいりひこいさちの命、次に伊耶いざ眞若まわかの命、次に國片くにかた比賣の命、次に千千都久和ちぢつくやまと比賣の命、次に伊賀いが比賣の命、次に倭日子やまとひこの命六柱。
去事いざとなると、何だか氣おくれがする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ところが去來いざ取懸とりかかツて見ると、ちつとも豫期よきした調子てうしが出て來ない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
貞之進は始終耳をそばだてゝ居たが、ついに思う名を聴得なかったので、平日ふだんならば男児が塵芥ちりあくたともせぬほどのことが胆を落し、張合なげに巻煙草を吸附て居ると、その芸妓はこっち向きに居坐いざり直って
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
開演中です。居膝いざるように、そっそばへ寄って来て、
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
少年は自分の母を見ると、長火鉢からすこし居退いざるようにして、障子に出来るだけぴったりと体を押しつけるようにしている。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
天皇此のいざによぶ声を聞きて、心に悲傷いたみす。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
数日死なず、昼夜いざによぶ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
人との紛雑いざなどはよし有つたにしろそれは常の事、気にもかからねば何しに物を思ひませう、私の時より気まぐれを起すは人のするのでは無くて皆心がらの浅ましい訳がござんす、私はこんないやしい身の上、貴君は立派なお方様
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大底たいていにおしよ巻紙二尋ふたひろも書いて二枚切手の大封おほふうじがお愛想で出来る物かな、そしてあの人は赤坂以来からの馴染ではないか、少しやそつとの紛雑いざがあろうとも縁切れになつてたまる物か、お前の出かた一つでどうでもなるに
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よぼ/\と、のろ/\と、いざり行かしむる
三太郎の日記 第一 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
「それにしても、贋金というのはわからない。どうせつかませるなら木の葉だっていいわけなんだが、……いったい、こんな贋金をどっから持って来やがったもんでしょう。ごらんなさい、鋳座いざも本物だし被せてあるのはヒルモ金。こりゃア素人になんぞ出来ない芸、よっぽどみっちりと鋳たものです」