いざ)” の例文
つもりに致しませう最早もはやおつつけ子刻こゝのつなりいざ御休み成れましと女子共に四邊あたり片付かたづけさせければ後藤は何の蛆蟲うじむし同前どうぜん奴輩やつばら某を知らざるやとのゝしりながら胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いざという場合ふところ育ちのお嬢さんや女学生上りの奥さんよりもはるかに役に立つ事を諄々じゅんじゅんと説き
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その声を聞くとひとしく、文三起上たちあがりは起上ッたが、えた胸もいざとなれば躍る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
引連ひきつれ訴訟そしようするぞ急度きつと間違へなと申先是にて概略あらましきまりしなりいざ皆々歸るべしと後藤は立上るに三人もともに出立しが仲人なかうど佐兵衞へ別れを告げ馬喰町ばくろちやうさして歸りける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
欧洲列強間の利害は各々相扞格あいかんかくしていても、根が同文同種同宗教の兄弟国だから、いざとなれば平時の葛藤を忘れて共通の敵たる異人種異宗教の国に相結んであたるは当然あり得べき事だ
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
使者の間へ通すべしと申渡せば戸村とむらは中の口へ來り平石に向ひいざ御案内ごあんない申すべしと先にたち使者の間の次へ來る時戸村は御使者には御帶劔ごたいけんを御預り申さんといふ平石次右衞門脇差わきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)