“ゐざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヰザ
語句割合
膝行85.7%
行脚5.7%
居膝2.9%
脚行2.9%
行膝2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
淡海たんかい公の孫、大織冠たいしよくくわんの曾孫藤氏南家の族長太宰、帥豊成、其第一嬢子だいいちぢやうしなる姫である。屋敷から一歩はおろか、女部屋から膝行ゐざり出ることすら、たまさかにもせない郎女いらつめのことだ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
行脚ゐざり寄つて澁茶の茶碗を引寄せながら、かう振り仰いだ八五郎の鼻は少しうごめきます。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
振返ると、その闇の中に其方此方そちこちと突つ立てゐる石塔の頭が、うよ/\とみのるの方に居膝ゐざり寄つてくる樣な幽な幻影を搖がしてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
平次は死骸の側に脚行ゐざり寄ると、顏から胸へ掛けた晒木綿を取つてハツと息を呑みました。
娘は涙に濡れた顏を、無造作に袂で拭いて、部屋の隅に行膝ゐざり寄りました。外から歸つたばかりの、晴着らしい赤い帶、頬が涙に濡れて、ちひさめの顏が、本當に花のやうに匂ひさうです。