“戯言(ぎげん)” の例文
旧字:戲言
これ固(も)と一場の戯言(ぎげん)なりとはいへども、この戯言はこれを欲するの念切(せつ)なるより出でし者にして、その裏面には強(あなが)ちに戯言ならざる者ありき。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
つまりこの一劃は、殯室(モーチュアリー・ルーム)で云うところのいわゆる前室に当るもので、突き当りの扉(ドア)の奥が、公教(カトリック)の戯言(ぎげん)で霊舞室(おどりば)と呼ばれる中室になっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
五十万円(ママ)を以て三隻の水雷船(すいらいせん)を造り、以て敵を鏖(みなごろし)にすべしなど真に一場(じょう)の戯言(ぎげん)に似(に)たれども、何(いず)れの時代にもかくのごとき奇談(きだん)は珍らしからず。
戯言(ぎげん)とも附かず罵詈(ばり)とも附かぬ曖昧(あいまい)なお饒舌(しゃべり)に暫らく時刻を移していると、忽(たちま)ち梯子段の下にお勢の声がして
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「申し訳ない。つい、つまらん戯言(ぎげん)をなして、なんとも済まん。……どうか心を取り直してくれ」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私心の垢(あか)を洗った愛念もなく、人々己(おのれ)一個の私(わたくし)をのみ思ッて、己(おの)が自恣(じし)に物を言い、己が自恣に挙動(たちふるま)う※欺(あざむ)いたり、欺かれたり、戯言(ぎげん)に託して人の意(こころ)を測ッてみたり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「陣中に戯言(ぎげん)なし——であるぞ」と、孔明は重々しく念を押して、かつかさねた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、法水の諧謔は、けっしてその場限りの戯言(ぎげん)ではなかった。そうして作られた原型を、熊城がテレーズ人形の足型と、歩幅とに対照してみると、そこに驚くべき一致が現われていたのである。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
陣中(じんちゅう)戯言(ぎげん)なし
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)