“往返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうへん38.5%
ゆきかえり15.4%
ゆきかへ15.4%
いきかえ7.7%
いきかえり7.7%
ゆきかへり7.7%
わうへん7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ともある、その使者舟の影も、沖と岸とのあいだを、火のひものように、もう往返おうへんしだしているのが、眺められる。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
往返ゆきかえりをマラソンでヘビーを掛け、水中の実演を余程高速度でらちを明けなければとても十時には帰って来られない。が、荒川より近くには神宮川のような大きな川はない。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
村から一里許りのK停車場に通ふ荷馬車が、日に二度も三度も、村端むらはづれから眞直に北に開いた國道を塵塗れの黒馬の蹄に埃を立てて往返ゆきかへりしてゐた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
おとらは往返いきかえりには青柳の家へ寄って、姉か何ぞのように挙動ふるまっていたが、細君は心の侮蔑をおもてにも現わさず、物静かに待遇あしらっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「これはひどい、旦那の見舞に行きながら往返いきかえりとも素通りは実にひどい。娘も娘、御隠居も御隠居だ、はがきの一枚も来ないものだから」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
可なり危険な道路ではあつたけれども、日に幾回となく往返ゆきかへりしてゐるらしい運転手は、東京の大路を走るよりも、邪魔物のないのを、結句気楽さうに、奔放自在にハンドルを廻した。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
往返わうへんし旅人の懷中ふところねら護摩ごまはひの頭なり因て半四郎が所持の金に目をかけ樣々さま/″\にして終に道連となりしかば此夜このよ何卒なにとぞして半四郎の胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)