“いきかえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蘇生50.0%
復活13.3%
活返10.0%
生返6.7%
6.7%
往帰3.3%
往返3.3%
往還3.3%
生還3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸の透間すきまが明るく成った。お雪は台所の方へ行って働いた。裏口を開けて屋外そとへ出てみると、新鮮な朝の空気は彼女に蘇生いきかえるような力を与えた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
にわかに復活いきかえるように暖い雨の降る日、泉は亡くなった青年の死を弔おうとして、わざわざ小県ちいさがたの方から汽車でやって来た。その青年は、高瀬も四年手掛けた生徒だ。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つねってもたしか活返いきかえったのじゃが、それにしても富山の薬売はどうしたろう、あの様子ようすではとうに血になって泥沼に。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おばあさんの姿も、糸車の音も消えて、薬売りは人の助けに生返いきかえったのでした。
糸繰沼 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「それもそうだが、まあ、怒らないでくれ。死ぬには死んだが、しかし、そこがさすがは笠松博士だって。二階へ行って御覧! 以前もとのようにちゃんといきかえっているから」
通学の道筋に当る町の若い女は眉山の往帰いきかえりをたのしみにして、目牽めひき袖引き目送みおくって人知れずこがれていたものも少なくなかったという評判だった。
おとらは往返いきかえりには青柳の家へ寄って、姉か何ぞのように挙動ふるまっていたが、細君は心の侮蔑をおもてにも現わさず、物静かに待遇あしらっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私は小学校の往還いきかえりに彼処を通るので、始終立寄って見ていた。あの像は、南洲を知っているという顕官が沢山いるので、いろんな人が見に来て皆自分が接した南洲の風貌を主張したらしい。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
誰が殺したにしたところで、それはもう過去すぎさったことで、幾ら詮議せんぎしたとて彼女は生還いきかえっては来ないではありませんか。蕗子が生存しない以上私がこの世に残って何をしようと同じことです。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)