“ゆきかえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
往還36.4%
往復27.3%
往帰18.2%
行帰18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女房 お国でたとえはむずかしい。……おお、五十三次と承ります、東海道を十度とたびずつ、三百度、往還ゆきかえりを繰返して、三千度いたしますほどでございましょう。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分も釣の往復ゆきかえりに立寄って顔馴染かおなじみになっていたので、岡釣おかづりに用いる竿の継竿つぎざおとはいえ三間半げんはんもあって長いのをその度〻たびたびに携えて往復するのは好ましくないから
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それからの貞之進というものは、明けても小歌暮れても小歌、日として夜として、小歌の姿が眼に映らぬことはなく、学校の往帰ゆきかえりにも小歌が送迎おくりむかいをするようで、間がな隙がな忘れたことがない。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
それは去年の秋の頃、綿のような黄金色こがねいろなす羽に包まれ、ピヨピヨ鳴いていたのをば、私は毎日学校の行帰ゆきかえり、を投げをやりして可愛がったが、今では立派にふとった母鶏ははどりになったのを。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)