往帰ゆきかえ)” の例文
早附木の箱を内職にするものなんぞが、目貫めぬきまちへ出て往帰ゆきかえりには、是非母様おっかさんの橋を通らなければならないので、百人と二百人ずつ朝晩にぎやかな人通りがある。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからの貞之進というものは、明けても小歌暮れても小歌、日として夜として、小歌の姿が眼に映らぬことはなく、学校の往帰ゆきかえりにも小歌が送迎おくりむかいをするようで、間がな隙がな忘れたことがない。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)