“ゆきかえり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
往復50.0%
往還21.4%
往返14.3%
往反7.1%
往来7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恋しい人の縁で荒い山路やまみち往復ゆきかえりすることを何とも思わなかった薫は、この時になって宇治という名を聞くことさえいやであるように思った。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
貧しい町を通って、黒いひげの生えた飴屋あめやに逢った。飴屋は高い石垣の下で唐人笛とうじんぶえを吹いていた。その辺は停車場に近い裏町だ。私が学校の往還ゆきかえりによく通るところだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
可なり危険な道路ではあったけれども、日に幾回となく往返ゆきかえりしているらしい運転手は、東京の大路を走るよりも、邪魔物のないのを、結句気楽そうに、奔放自在ほんぽうじざいにハンドルを廻した。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
往反ゆきかえりに二度お通なさる日もあるのだから、どうかして一度逢われずにしまうにしても、二度共見のがすようなことは無い。きょうはどんな犠牲を払っても物を言い掛けずには置かない。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
もっとも、最初さいしょべつわたくしをおみやまつるまでのはなしわけではなく、時々ときどきおもしては、野良のらへの往来ゆきかえりわたくしはか香花こうげ手向たむけるくらいのことだったそうでございますが、そののち不図ふととしたこと動機どうきとなり