活返いきかえ)” の例文
またどんな仔細しさいがないとも限らぬが、少しも気遣きづかいはない、無理に助けられたと思うと気がめるわ、自然天然と活返いきかえったとこうするだ。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つねってもたしか活返いきかえったのじゃが、それにしても富山の薬売はどうしたろう、あの様子ようすではとうに血になって泥沼に。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「娑婆といやあ、とっさん、この辺で未通子おぼこはどうだ。」と縞の先生活返いきかえっていやごとを謂う。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自然の露がその唇に点滴したたらなければ点滴らないで、その襟の崩れから、ほんのり花弁はなびらが白んだような、その人自身の乳房から、冷い甘いのを吸い上げて、人手はらないでも、活返いきかえるに疑いない。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)