“ものごし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
態度25.0%
物腰22.5%
挙動15.0%
挙措12.5%
動作7.5%
挙止5.0%
挙惜2.5%
擧動2.5%
言葉2.5%
言辞2.5%
風采2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四六時じゅう栄三郎の心にあるのはお艶のおもかげ態度ものごし、口ぶり——、あア、あの時ああいって笑ったッけ、そうそう、またいつぞやあれが軽い熱でふせった折りは……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
又その素振そぶりや物腰ものごしには何かしら相手の好意と知遇におもねるようなところがある。彼が笑うととてもチャーミングで、髪は薄色で、眼は蒼かった。
この少年がさっき立ち上って来る時にも並いる印度人ことごとくが椅子いすから立って、慇懃いんぎん挙動ものごしで通路をあけてやったが
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
きび/\した溌剌たる挙措ものごしの底に、とろかすような強い力をきらめかして男の魂をとらえるらしかった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
その時、入口からひょっこり姿を現わしたのは理髪師とこやのイワン・ヤーコウレヴィッチであったが、その動作ものごしはたった今、脂肉を盗んでちのめされた猫みたいに、おどおどしていた。
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
そしてそうでない証拠にはすべての挙止ものごしがいかにもこだわりのない自然さを持っているのだが、後れ毛一つ下げていないほどそれを清く守っているのを見ると
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
髪……赤痣……声……挙惜ものごし……表情……丈恰好せかっこう……前屈みの癖……何から何まで正真正銘のユアンの、瞳だけが私のみつめているうちに、段々と違う人間の眼になってきた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
源助さんは、もう四十位になつてゐるし、それに服裝の立派なのが一際品格を上げて、擧動ものごしから話振から、昔より遙かに容體づいてゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
知りたるやととふに八五郎は微笑ほゝゑみ先刻よりうかゞふに御言葉遣ひは讃州のおん言葉ものごしに候あひだもしやと存じお尋ね申上しなりと申せしかば武士は甚だ感じつゝ御亭主ごていしゆ貴樣は記憶きおくといひ心懸こゝろがけといひ天晴の男なり察しの通り某しは讃州丸龜に住居して無刀流劔術の指南しなん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
容儀かたち人の娘とは見えず、妻とも見えず、しかも絢粲きらきらしう装飾よそほひかざれる様は色を売るたぐひにやと疑はれざるにはあらねど、言辞ものごし行儀の端々はしはしおのづからさにもあらざる、畢竟ひつきようこれ何者と
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その下萌したもえの片笑靨かたえくぼのわずかに見えたる、情を含む眼のさりとも知らず動きたる、たおやかなる風采ものごしのさらに見過ごしがてなる、ああ、辰弥はしばし動き得ず。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)