挙措ものごし)” の例文
旧字:擧措
キラキラした髪……挙措ものごし恰好かっこう……ちらと横から見た、睫毛まつげの長い……優しいおとがい……決して決して、私の幻覚や見誤りなぞでは、ないのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
きび/\した溌剌たる挙措ものごしの底に、とろかすような強い力をきらめかして男の魂をとらえるらしかった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
そのアイネス嬢の心を知ってか知らずにか、夫人は相変らず優雅な挙措ものごしを作りながら、時々にこやかに話しかけてくる。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
老爺と婦人とこの二人の挙措ものごしが、どことなくこの少年に対して慇懃いんぎんを極めているところから推して、この幼い少年が恐らく二人にとっては主人筋にでも当っていたのであろうか。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
身装みなりでも挙措ものごし恰好でもいよいよ兄は田舎者まる出しになっています。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)