“下萌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
したもえ75.0%
したも25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天地の運行に従って百草は下萌したもえをし、い立ち、花をつけ、実を結び、枯れる。人もまた天地の運行に従って、生れ、生長し、老い、死する。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
峠の上には雲雀ひばりが舞い、木立の中ではうぐいすが、気味の悪いほど長い息で鳴いている。そして木の下萌したもえは露に重く、馬の草鞋わらじはびっしょりと濡れる。
と、襟の扇子をと抜いて、すらすらと座へ立った。江戸は紫、京はべに、雪の狩衣けながら、下萌したもゆる血の、うら若草、萌黄もえぎ難波なにわの色である。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その下萌したもえの片笑靨かたえくぼのわずかに見えたる、情を含む眼のさりとも知らず動きたる、たおやかなる風采ものごしのさらに見過ごしがてなる、ああ、辰弥はしばし動き得ず。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)