“したも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
下萌60.0%
下裳20.0%
下萠20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その下萌したもえの片笑靨かたえくぼのわずかに見えたる、情を含む眼のさりとも知らず動きたる、たおやかなる風采ものごしのさらに見過ごしがてなる、ああ、辰弥はしばし動き得ず。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
古の女は、下賤なるもはかまたれば、下裳したもさへなく唯肌着を紐にて結びたり。これをこそ下帯とはいふなりけれ。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今の湯具はいにしへ下裳したもに代用したる下部かぶおほふのなり。嬉遊笑覧きいうせうらんに、湯具ゆぐといふは、男女なんによともに前陰ぜんいんを顕して湯に入ることはもとなき事にて必ず下帯をきかえて湯に入るゆゑ湯具といふ。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
土かづく黄の福寿さう、蕗の薹、しなへ葉の霜の苺や、裏藪の小すみれもまだ、楉枝しもとべのつくつくしまだ、日あたりの枯れし芝生の、下萠したもえもまだ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)