挙動こなし)” の例文
旧字:擧動
その雄々しく見えるところはただ時々の身の挙動こなしと言葉のありさまにあったばかりで
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
すぐに重ね返事が、どうやらいきおいがなく、弱々しく聞えたと思うと、挙動こなしは早くつまを軽く急いだが、すそをはらりと、長襦袢ながじゅばんえんなのが、すらすらと横歩きして、半襟も、色白な横顔も
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言いかけて身体からだごと、この巌殿いわどから橿原かしわばらへ出口の方へ振向いた。身の挙動こなし仰山ぎょうさんで、さも用ありげな素振そぶりだったので、散策子もおなじくそなたを。……帰途かえるさかれにはあたかも前途ゆくてに当る。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)