たくら)” の例文
そうすれば、あの親猿が、畜生ながらにも、機会を得て、たくらみ、そして、決行した殺人事件ではございますまいか。
京鹿子娘道成寺 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
彼らは知を誇らず、風におごらない。奇異とか威嚇いかくとか、少しだにそれらのたくらみが含まれない。いどむこともあらわなさまもなく、いつも穏かであり静かである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
奇異とか威嚇とか、少しだにそれ等のたくらみが含まれない。挑むこともあらはなさまもなく、いつも穏かであり静かである。時としては初心な朴訥な、控目がちなおももちさへ見える。
雑器の美 (新字旧仮名) / 柳宗悦(著)