“いぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
以前54.5%
依然34.3%
怡然3.7%
惟然3.0%
夷然2.2%
已前2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父親ちちおやは、ずっと以前いぜんに、このからくなられて、わすれかかっていた父親ちちおやかおを、おじいさんをて、はっきりとおもしました。
幸福のはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
窃盜せつたう姦淫かんいん詐欺さぎうへてられてゐるのだ。であるから、病院びやうゐん依然いぜんとして、まち住民ぢゆうみん健康けんかうには有害いうがいで、不徳義ふとくぎなものである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「それを聞いてどう為る。ああ貴様は何か、金でも貸さうと云ふのか。Noノオ thankサンクじや、赤貧洗ふが如く窮してをつても、心は怡然いぜんとして楽んでをるのじや」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「若葉吹風さら/\となりながら」という惟然いぜんの句は、若葉の風の爽な感じを主としたものであるが、時間は句の上に現れず、眼に訴える分子があまり多くない。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
彼は比較的堅固でない椅子の上に、わざわざ両足を載せて胡坐をかいたなり、はたから見るとさも窮屈そうな姿勢のもとに、夷然いぜんとして落ちついていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
封演の『聞見記』を引き、唐朝大赦ある時、闕下けっかに黄金の首ある鶏を高橦こうとうの下に立て、宮城門の左に鼓を置き、囚徒至るを見てこれを打ち、赦をのたまえおわりて金鶏を除く、この事魏晋已前いぜん聞えず