“まへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
86.9%
以前7.6%
前方1.3%
御前0.8%
0.8%
前脚0.4%
前車0.4%
前述0.4%
前部0.4%
已前0.4%
最初0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしやうやくほつとしたこころもちになつて、卷煙草まきたばこをつけながら、はじめものうまぶたをあげて、まへせきこしおろしてゐた小娘こむすめかほを一べつした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
帽子屋ばうしやッた一人ひとり場所ばしよへたために一ばんいことをしました、あいちやんは以前まへよりもぽどわりわるくなりました、だつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
このとき我いよ/\大きく目を開きてわが前方まへを望み、その色石と異なることなきころもを着たる魂を見き 四六—四八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
はやまつての御考おかんがへは御前まへさまのやうにもいましばしの御辛抱ごしんぼうそのうちにはなにともして屹度きつとよろこばせ申べし八重やへが一しんあはれともおぼしめしてそのやうなかなしいことおかせあそばすなとてちから
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此盆にも此の正月にも心付して呉れたお吉と気がついて八五郎めんくらひ、素肌に一枚どてらのまへ広がつて鼠色ねずみになりし犢鼻褌ふんどしの見ゆるを急に押し隠しなどしつ、親分、なんの、あの、なんの姉御だ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
前脚まへかけて岸にをどるとく駒の尻毛がさばく渦の水玉
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「ヂヤ、与太、吉田屋の婆さんにく言うて呉れよ、いづれ近日返金おけえしするつてツたつてナ」と前車まへの御者はわめきつゝ、大宮行の馬車は国神宿くにがみじゆくに停車せり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
竹山の親しく見た野村良吉は、大略あらまし前述まへの様なものであつたが、渠は同宿の人の間に頗る不信用であつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『来たよウ。』と駅夫が向側で叫んだので、二人共目を転じて線路の末を眺めると、遠く機関車の前部まへが見えて、何やらキラ/\と日に光る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ちつとばかり西洋医せいやうい真似事まねごともいたしますが、矢張やはり大殿おほとの御隠居様杯ごいんきよさまなどは、水薬みづぐすりいやだとおつしやるから、已前まへ煎薬せんやくげるので、相変あひかはらずお出入でいりいたしてる、ところ這囘このたび多分たぶんのお手当てあてあづか
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まつりれて友達ともだちのうちへとまつた一分始終いちぶしヾう祖母ばヾはなしてきかせました。すると、祖母ばヾをみはつて、そのかたはちヽ最初まへの「つれあひ」だつたとおどろかれました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)