猶且やつぱり)” の例文
おつぎは燒趾やけあと始末しまつせはしいあひだにも時々とき/″\卯平うへいた。しか卯平うへいなぐさめるに一せんたくはへもないおつぎは猶且やつぱりなん方法はうはふ手段しゆだん見出みいだなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それからまた日目かめほとけおくつて村落むらもの黄昏たそがれ墓地ぼちうた。へび猶且やつぱり棺臺くわんだいかげらなかつた。へび自由じいう匍匐はらばふにはあまりに瘡痍きずおほきかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
とき幾多いくた民家みんか猶且やつぱり非常ひじやう慘害さんがいかうむつて、村落むらすべては自分じぶんしのぎがやつとのことであつたので、ほとんど無用むようであるれう再建さいこんかへりみるものはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)