“陳套”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちんとう81.8%
ちんたう18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一、趣向はなるべく斬新なるを要すれども、時にはこれらの陳套ちんとうを翻案して腐を新となし死を活となすの技倆ぎりょうあるを要す。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
明白な陳套ちんとうな語で言い現わされるような感情の動揺を感じることはないであろうが、真なるものを把握はあくすることの喜びには、別に変わりはないであろう。
科学と文学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
寧ろ多少陳套ちんたうそしりを招きかねぬ技巧であらう。しかし耳に与へる効果は如何にも旅人の心らしい、悠々とした美しさに溢れてゐる。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
露骨に云へば中佐の詩は拙悪せつあくと云はんよりむし陳套ちんたうきはめたものである。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)