“やりて”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤリテ
語句割合
遣手76.7%
3.3%
手腕家3.3%
敏腕家3.3%
演者3.3%
遣人3.3%
鴇手3.3%
鴇母3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その住職なるものは何者か知らないが、なかなかの遣手やりてと見える、ひとつあたってみようかな、というこころざしを起しました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
やりてをひとりつけまして送り届けましたところ、ほんの近くまでちょいと用達しにいったそのすきに、もう姿が見えなくなったのでござります
その奥まった座敷に、穏当らしく会席膳を並べて控えてござるのは、まず主座に名代の手腕家やりての志摩徳兵衛、続いてその子分の、東京貴石倶楽部の松沢一平、夕陽新聞社長幸田節三。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかもそういう連中までが、今では、どうのこうのと徳操を論じあっている始末である。我等の主人公は『敏腕家やりて』の『取込み家』とでもいっておけば、まあ穏やかであろう。
よく出来た場合は聴衆きゝてよりも演者やりての方がずつと気持のいゝもので、基督のやうな真面目な男でさへ、名高い山の上のお説教を済ましたのちは、すつかりい気持になつて
向うで取裁くといってもつまり賄賂わいろの多少によって事を決するようになって居たそうですが、現今の法王はなかなか遣人やりてで、そういう事をやって来たことが知れるとじきにその者の財産を没収し
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
左なる二人の女は同楼の鴇手やりてと番頭新造にして、いづれも初花の罪をかばひしとがによりて初花と同罪せられしものなりと云ふ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ちびりと飲んだあげく、もう鴇母やりて壮佼わかいしゅも座敷のしまつをせずに、そのまま打っちゃらかしておいてさっさと引きさがって往くのを見すますと、しめたと床へ入り、直ぐ寝たふりをして見せると
幽霊の自筆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)