ばゝあ)” の例文
そう幾つも手が有りませんと、強情ッぱりばゝあだ……さ此方へ………お変りもございませんで……御難渋の事で、かねて承わって居りますが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かう言つて、二三日のひまを貰つて行つたが、日限が来ても、そのばゝあつひに帰つて来なかつた。二人目も五六日でいとまを乞ひに世話人のもとにやつて来た。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
らやうなばゝあでも十ぐれえ背負しよへんだもの、近頃ちかごろぢやもうものが一ばん不自由ふじようやうねえのさな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あれは梅干ばゝあと云ふのぢやから、最早もうくのうのと云ふ年ぢや無いわい、安心しちよるがい、——其れよりも世の中に野暮やぼなは、其方そちの伯父ぢや、昔時むかしは壮士ぢやらうが、浪人ぢやらうが
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と声を立てるに驚いて小平が逃げ出す、丹治はおのれ逃がさじと枕元の刀を探ると、おかくばゝあが昼のうち刀を隠して置きましたから有りません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ばゝあは一通りならぬ喜び、文吉も共に力に成りまして、田舎は親切でございますから、山之助までも大事に致して呉れます。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
太「そんな事を言っちゃア心細くなって仕様がねえ、ばゝあや、多助が高平までくって寄ったから、此処こけうよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ばゝあは両人が駈出してから立ちつ居つ心配して泣いて騒いでも、七十を越した婆様ばあさまでございますから、只騒いで心配するばかり、何うする事も出来ません。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
美代ちゃんの母親おふくろさんもんなにか悦びましょう、しかし彼のばゝあは何うも慾がふけえたッてなんて、んなのも沢山たんとはありません、慾の国から慾をひらきに来て
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
角「あゝ云う事をいう、マアおかみさん心配しんぺえしねえがい、仕様のねえばゝあだ、四十づらをさげて飛んだ事をいやアがって、マア貴方あんた心配しんぺえしねえがようがんす」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おれア食いたくないから取っといて遣るのだと云っておらがにくれる、己も心嬉しいから持って来てばゝあに斯う/\だと云うとなア、婆さま家の婆が悦びやアがって
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼処あすこばゝあほど運のい奴はありません、無闇に金ばかり溜めて高利を取って貸すんでげすが、二つき縛りで一割の礼金で貸しやアがって、の位の者は沢山たんたア有りませんね
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
富「そりゃア義理はありましょうが、私はあなたが、あんな愚痴ばゝあの機嫌を、よく取っておでなさると思っていました。あなたがこれを出るのは本当でげす、御尤もでげすねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
えゝ一週間ひとまわりなり二週間ふたまわりなりお席をおきまして、お座敷つぼの内へへッついでも炭斗すみとり火鉢すべて取寄せまして、三週間みまわりもおいでになれば、またまかないのばゝあも置きまして、世帯をお持ちなさいますなら
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)