ばゝ)” の例文
受け御手當金てあてきん百兩と御墨附おすみつき御短刀までのち證據しようことて下されしことちく物語ものがたればお三ばゝは大いによろこび其後は只管ひたすら男子の誕生たんじやうあらんことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母親おふくろ父親おやぢ乞食こじきかもれない、おもてとほ襤褸ぼろげたやつ矢張やつぱりれが親類しんるゐまきで毎朝まいあさきまつてもらひにびつこ隻眼めつかちのあのばゝなにかゞれのためなんあたるかれはしない
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かはしつたな煮付て晩飯の代りに喰ふかよと鶴的莞爾くわんじとしイヤ喰て仕舞しまはぬ爲に買た今日馬を追て十八錢取つたが彼所あすこばゝの茶屋で強飯こはめしを二盆やつたから跡が五錢ほきやない是を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
頭の禿げかゝつた親爺と、それに相当したばゝとが、薄暗くつて、小汚く、恐ろしく小さい家の中に、坐つてゐるのである。だが、神様から、こゝへ生れて出ろと、云はれたのだから
蟠「緑町みどりちょうの口入屋のばゝアを頼んで置いたが、髪は奥女中の椎茸髱しいたけたぼってな、模様の着物も金襴きんらんの帯も或る屋敷から借りて置いた、これ/\安兵衞、緑町の婆アが来たら是れへ通せ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「この皺くちやばゝめ。お礼にはかうしてくれる。」
聞てよくこそ心付たれ我はばゝの事に心付ざりし隨分ずゐぶん澤山たくさんつかはせと有ければ寶澤は大いによろこ早速さつそく酒を徳利へうつさかなをば竹の皮につゝ降積ふりつもりたる大雪おほゆき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この矢切村にしのと申しましてわたくしに乳をくれましたばゝが居りまするから、その乳母を便たよって参りまする道で災難にいましたが、思い掛けなく伯父さまにお目通りをいたしましたは
見るに輕井澤まで二里餘とありあへぎ/\のぼりてやがて二里餘も來らんと思ふに輕井澤は見えず孤屋ひとつやばゝに聞けば是からまだ二里なりといふ一行落膽がつかりさては是程に草臥くたびれだけしか來らざりしかと泣かぬばかりに驚きたり是より道を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
隣村りんそん平野村の名主なぬし甚左衞門は平澤村の甚兵衞名主のおととなるがこれも至つて慈悲じひふかきものにてお三ばゝまよ歩行あるく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
秋「それでは源兵衞、手前がように隠しても隠されん処の此方こちらに確かな証拠がある、隠さずに云え、じゃが手前は何ういう訳で斑猫はんみょうという毒虫をばゝに頼んで一疋六百ずつで買うか、それを聞こう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆「はいわし此処こゝばゝアでございますよ、あんたア誰だかねえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
太「ヘエばゝアもどうかお目に掛りえといっております」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)