“酔醒(ゑひさ)” の例文
旧字:醉醒
鬚深(ひげふか)き横面(よこづら)に貼薬(はりくすり)したる荒尾譲介(あらおじようすけ)は既に蒼(あを)く酔醒(ゑひさ)めて、煌々(こうこう)たる空気ラムプの前に襞襀(ひだ)もあらぬ袴(はかま)の膝(ひざ)を丈六(じようろく)に組みて、接待莨(せつたいたばこ)の葉巻を燻(くゆ)しつつ意気粛(おごそか)に、打萎(うちしを)れたる宮と熊の敷皮を斜(ななめ)に差向ひたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)