“一場”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちじょう84.6%
いちじよう3.8%
いちぢやう3.8%
いつぢやう3.8%
ひとば3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
帽子を目深まぶかに、外套がいとうの襟を立てて、くだんの紫の煙を吹きながら、目ばかり出したその清い目で、一場いちじょうの光景をきっみまもっていたことを。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゆゑに彼の恋は青年を楽む一場いちじようの風流のうるはしき夢に似たるたぐひならで、質はそのぶんに勝てるものなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
だその命名につきて一場いちぢやうの奇談あり、迷信のそしまぬかれずとも、事実なればしるしおくべし。
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
親子おやこもしくは夫婦ふうふ僅少わづか手内職てないしよくむせぶもつらき細々ほそ/\けむりを立てゝ世が世であらばのたんはつそろ旧時きうじの作者が一場いつぢやうのヤマとする所にそろひしも今時こんじは小説演劇を
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
僕はかういふ壮士芝居の中に「大悪僧だいあくそう」とか云ふものを見、一場ひとば々々の血なまぐささに夜も碌々ろくろく眠られなかつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)