清々せい/\)” の例文
さぞ清々せい/\するだらうと言つた、そんな事しか考へて居なかつたのですが、行つて見ると、それどころの騷ぎではありません。
あたまにほひのするあぶらられて、景氣けいきのいゝこゑうしろからけられて、おもてたときは、それでも清々せい/\した心持こゝろもちであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
国にれば田舎侍だから美食美服は出来んばかりでは無い、一体若い時分からそういう事は嫌いじゃ、斯ういう清々せい/\とした処を見るが何よりの楽しみじゃの
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はじめ彼女は、私の弁解を素直にきいて、では少しの間待つてゐておくれ、一汗絞つて清々せい/\としてから今度こそは面白く相手になつて遊ぶからといふ約束だつた。
海棠の家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
そのお蔭で大層氣分が清々せい/\して來た、ちやうど葡萄酒を飮んだ巨人のやうに。