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一通
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ひととほ
細々しい
臺所道具の
樣なものは
買ふ
迄もあるまい、
古いので
可ければと
云ふので、
小人數に
必要な
丈一通り
取り
揃えて
送つて
來た。
其上
彼は一
般の
百姓がすることは
仕なくては
成らないので、
殊には
副食物として
必要なので
茄子や
南瓜や
胡瓜やさういふ
物も
一通りは
作つた。
あの、
通りだ。さすがに、
疊の
上へは
近づけないやうに
防ぐが、
天井裏から、
臺所、
鼠の
殖えたことは
一通りでない。
マア
斯ういふ事は
滅多にない事でございます、
我々のやうな牛は
実に骨の折れる事
一通りではありません、
女牛の
乳を
絞られる時の痛さといふのは
耐りませんな
古墳の
形と、それから
外側に
立つてゐた
埴輪について、たゞいま
一通りお
話したのでありますが、これからは、
古墳の
内部にある
石棺と
石室のお
話をいたしませう。
母は
見かねてそれはあまりに
短氣なりあの
子の
詞も
一通りは
聞てお
遣りなされませぬかと
執成すを
元より
御憎悪強き
私には
候へども、
何卒是は前非を悔いて自害いたし候
一箇の
愍なる女の、
御前様を
見懸けての
遺言とも
思召し、せめて
一通り
御判読被下候はば、未来までの
御情と
巴里の道ももう
此辺はアスフワルトでもなければ
切石を敷いた道でもない。清水の三年
坂程の勾配を
上る靴はかなり迷惑な土ぼこりを
身体に上げる。八月の中頃であるから
未だ暑さも
一通りではない。
で、
直ちに
木材を
伐更めて、
第二の
像を
刻みはじめた。が、
又此の
作に
対する
迫害は
一通りではないのであつた。
猫が
来て
踏んで
行抜ける、
鼠が
噛る。
宗助は
昨夕から
今朝へ
掛けての
出來事を
一通り
掻い
撮んで
話した
上、
文庫の
外に
何か
取られたものがあるかないかを
尋ねて
見た。
主人は
机の
上に
置いた
金時計を
一つ
取られた
由を
答へた。
夕暮の
店先に
郵便脚夫が
投込んで
行きし
女文字の
書状一通、
炬燵の
間の
洋燈のかげに
讀んで、くる/\と
帶の
間へ
卷收むれば
起居に
心の
配られて
物案じなる
事一通りならず、おのづと
色に
見えて
オヽおもしろし
覺悟とは
何の
覺悟許嫁の
約束解いて
欲しゝとのお
望みかそれは
此方よりも
願ふ
事なり
何の
迂りくどい
申上ぐることの
候の
一通りも
二通りも
入ることならず
後とはいはず
目の
前にて
切れて
遣るべし
切れて
遣らん
他人になるは
造作もなしと
嘲笑ふ
胸の
内に
沸くは
何物
此家の
内に
一人もなし
老婆さまも
眉毛よまれるなと
憎々しく
言ひ
放つて
見返りもせずそれは
御尤の
御立腹ながら
是れまでのこと
露ばかりも
私知りての
事はなしお
憎しみはさることなれど
申譯の
一通りお
聞き
遊ばして
昔の
通りに
思召してよと
詫入る
詞聞きも
敢へず
何といふぞ
父親の
罪は
我れは