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一通
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ひととほり
ふりがな文庫
“
一通
(
ひととほり
)” の例文
教祖島村
美支子
(
みきこ
)
の一代記から、
一通
(
ひととほり
)
の教理まで、重々しい力の無い声に出来るだけ抑揚をつけて
諄々
(
くどくど
)
と説いたものだ。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分の
隣家
(
となり
)
に
謡曲
(
うたひ
)
の師匠が住んでゐる。朝から晩まで
引切
(
しつきり
)
なしに鵞鳥の締め殺されるやうな声で、
近傍
(
あたり
)
構はず
謡
(
うた
)
ひ続けるのでその
喧
(
やかま
)
しさといつたら
一通
(
ひととほり
)
の沙汰ではない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
信一郎は、死んだ青年に対する責任感からも、此の謎を
一通
(
ひととほり
)
は解かねばならぬと思つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
當前
(
あたりまへ
)
の人の聲なら、氣にはならなくつてよ。
一通
(
ひととほり
)
の人ではないのですものを。お金はみんな持つて行つて、好い加減にしてゐて、あなたをまで取つてしまはうと思つてゐるのですものを。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
以て
一通
(
ひととほり
)
吟味
(
ぎんみ
)
これあり安五郎は
揚屋
(
あがりや
)
入
(
いり
)
儀左衞門は
入牢
(
じゆらう
)
同人女房粂は長屋預け申付られ駿府御代官太田三郎四郎殿へ柴屋寺
住持
(
ぢうぢ
)
を差出す樣又遠州
相良本多
(
さがらほんだ
)
長門守殿家來へ同領内上
新田
(
しんでん
)
村
無量庵
(
むりやうあん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
の
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
は、
常
(
つね
)
に
新
(
あた
)
らしい
世界
(
せかい
)
にばかり
注
(
そゝ
)
がれてゐた。だから
自然
(
しぜん
)
が
一通
(
ひととほり
)
四季
(
しき
)
の
色
(
いろ
)
を
見
(
み
)
せて
仕舞
(
しま
)
つたあとでは、
再
(
ふたゝ
)
び
去年
(
きよねん
)
の
記憶
(
きおく
)
を
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
すために、
花
(
はな
)
や
紅葉
(
もみぢ
)
を
迎
(
むか
)
へる
必要
(
ひつえう
)
がなくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
その
)
又
(
また
)
搖
(
ゆ
)
れ
方
(
かた
)
と
謂
(
い
)
うたら
一通
(
ひととほり
)
でなかつたので、
吐
(
は
)
くやら、
呻
(
うめ
)
くやら、
大苦
(
おほくるし
)
みで
正體
(
しやうたい
)
ない
者
(
もの
)
が
却
(
かへ
)
つて
可羨
(
うらやま
)
しいくらゐ、と
云
(
い
)
ふのは、
氣
(
き
)
の
確
(
たしか
)
なものほど、
生命
(
いのち
)
が
案
(
あん
)
じられるでな、
船
(
ふね
)
が
恁
(
か
)
うぐつと
傾
(
かたむ
)
く
度
(
たび
)
に
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
医師は直ぐその場の事情を呑み込んだやうに、勝平の身体に手をやつて、
一通
(
ひととほり
)
検
(
あらた
)
めた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
“一通”の意味
《名詞》
(数詞: 一 + 助数詞: 通)一つの手紙や文書。
一方通行の略。
(麻雀) 一気通貫の略。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥