“一杯(いち)” の例文
おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前に縮(すく)まって、下げ煙管(ぎせる)の投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外(ひっぱ)ずし、沸立(にた)った湯を流(ながし)へあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎麦(ざるそば)で一杯(いち)を極(き)めた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)