-
トップ
>
-
充滿
>
-
いつぱい
自體彼の頭腦の中には
腐ツたガスのやうな氣が
充滿になツてゐて、頭が
甚だ
不透明になツてゐる、彼は
能く其れを知ツてゐるから
「うゝん、
誰だか
知らない。
手桶の
中に
充滿になつて、のたくつてるから、それだから、
遁げると
不可いから
蓋をしたんだ。」
『
日出雄さん、
餘りやると
胃を
損じますよ。』と
氣遣顏の
私さへ、
其生臭い
肉を
口中充滿に
頬張つて
居つたのである。
さて
展覽會の
當日、
恐らく
全校數百の
生徒中尤も
胸を
轟かして、
展覽室に
入つた
者は
自分であらう。
※畫室は
既に
生徒及び
生徒の
父兄姉妹で
充滿になつて
居る。
狹苦しい
門口は以上の借金取りで、
充滿になつて居るといふ騷ぎ。
勿論素跣足で、
小脇に
隱したものを
其まゝ
持つて
出て
來たが、
唯見れば、
目笊の
中充滿に
葉ながら
撮んだ
苺であつた。
少し間の
延びた顏をしてゐる者があツたら、
突倒す、
踏踣す、
噛付く、かツ
拂ふ、
唸る、
喚く、慘
憺たる
惡戰だ。だから
汗と
垢とが
到處に
充滿になツてゐて、東京には
塵埃が多い。
(
友さん。)と
今おつしやつて
下さいました、
其の
御聲が、
御新姐樣そつくりで、——
友造は
胸が
充滿に
成りました。
下水からは下水の水が
溢れてゐる、芥箱には芥が
充滿になつている。
迷兒は
悲さが
充滿なので、そんなことには
氣がつきやしないんだらう、
巡査にすかされて、
泣いちやあ
母樣が
來てくれないのとばかり
思ひ
込んだので
よくも、あの
水を
飮んだと
思ふ。
一釣瓶ごとに
榎の
實のこぼれたやうな
赤い
毛蟲を
充滿に
汲上げた。