“コツプ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:こつぷ
語句割合
洋盃41.7%
硝子杯20.8%
硝子盃8.3%
玻璃盃8.3%
洋盞4.2%
硝盃4.2%
大盃4.2%
小杯4.2%
洋杯4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洋盃コツプなかには、代助がにはけたと同じ位にみづ這入はいつてゐた。代助は湯呑をつたまゝ、茫然として、三千代のまへつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
人妻のすこし汗ばみ乳をしぼる硝子杯コツプのふちのなつかしきかな
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みづを……みづをとたゞつたのに、山蔭やまかげあやしき伏屋ふせや茶店ちやみせの、わか女房にようばうは、やさしく砂糖さたうれて硝子盃コツプあたへた。藥師やくし化身けしんやうおもふ。ひとなさけは、ときに、あはれなる旅人たびびとめぐまるゝ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「何と巧い言方だらう!」私は快く冷々ひや/\する玻璃盃コツプを握つた儘、一人幽かに微笑んで見た。
所謂今度の事:林中の鳥 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うだ、一盃らないか」と、前にあつた葡萄酒のびんを持つてつて見せた。なかにはまだ余程這入つてゐた。梅子は手をたゝいて洋盞コツプを取り寄せた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いよ/\おくつて御父おとうさんにしかられてるかな」と云ひながら又洋盞コツプあによめの前へした。梅子はわらつてさけいだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一グラムとは一もんめまうして三ゲレンとは三わりにして硝盃コツプに三十てきはんゲレンぢやが、見てういふ工合ぐあいにするのだ。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
硝盃コツプさきに水をれて、ポタリ/\とびんの口をけながらたらすのだが、中々なか/\素人しろうとにはさううま出来できない、二十てきと思つたやつが六十てきばかり出た。殿
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼晩あのばん貴下あなた、香雪軒で桂さんだの、曾禰そねさんだのツて大臣さん方の御座敷でしてネ、小米さんが大盃コツプでお酒をグイ飲みするんですよ、あんなことは今まで一度も無いのですから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
左右の欠刻から沁み出る護謨ごむ液が中央に集つて落ちるのを採収夫が硝子ガラス小杯コツプに受けて廻るのである。採収は未明から午前六時迄に終らねばならないと云ふ事だ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その飮み振りはどこか、がつがつ以上のものがあり、洋杯コツプをささげて拜んでゐるみたいなものすら、あつた。
汽車で逢つた女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)