『所謂今度の事（いわゆるこんどのこと）：林中の鳥（りんちゅうのとり）』

二三日前の事である。途で渇を覺えてとあるビイヤホオルに入ると、窓側の小さい卓を圍んで語つてゐる三人連の紳士が有つた。私が入つて行くと三人は等しく口を噤んで顏を上げた。見知らぬ人達で有る。私は私の勝手な場所を見付けて、煙草に火を點け、口を濕し …

著者	石川啄木
ジャンル	文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出	「文学」1957（昭和32）年10月10日
文字種別	旧字旧仮名
読書目安時間	約12分（500文字/分）
朗読目安時間	約20分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

卓（しよく） 固（もとよ） 上手（うはて） 時々（じゞ） 謂（いひ） 散々（さんざ） 女形（をんながた） 一（いつ） 當（あて） 白（せりふ） 爲（し） 白地（あからさま） 彼樣（あんな） 若（もし） 人（びと） 對（むか） 科（しぐさ） 彼樣（あん） 夫（そ） 復（また） 性急（せつかち） 可（よ） 洒落（しやれ） 濕（うるほ） 萬（よろづ） 趨（はし） 面（おもて） 顰（ひそ） 爲方（しかた） 新宮（しんぐう） 山中（やまなか） 嬌態（しな） 噤（つぐ） 呆氣（あつけ） 何樣（なにさま） 今日（こんにち） 一處（ひとところ）