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ふんじつ
ふりがな文庫
“
紛失
(
ふんじつ
)” の例文
盜みし當人の
出
(
いで
)
ざる中は文右衞門の
片口
(
かたくち
)
のみにて
免
(
ゆる
)
す
譯
(
わけ
)
には成り難く尤も百兩の
紛失
(
ふんじつ
)
は言掛りなしたる久兵衞こそ
怪
(
あや
)
しき者なれと
敏
(
とく
)
に
眼
(
め
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
恰
(
ちやう
)
ど耶蘇の死骸が墓のなかで
紛失
(
ふんじつ
)
したやうなもので、不思議は四福音書にあるやうに、職人の掌面にもあるものなのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
紛失
(
ふんじつ
)
するなんてえ馬鹿げたことはない
筈
(
はず
)
だが、聞きなせえ、今日だ、十九日というと不思議に一挺ずつ
失
(
な
)
くなります。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と飯島は孝助の忠義の
志
(
こゝろざ
)
しは
予
(
かね
)
て見抜いてあるから、孝助が盗み取るようなことはないと知っている故、金子は全く
紛失
(
ふんじつ
)
したなれども、別に百両を
封金
(
ふうきん
)
に
拵
(
こし
)
らえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか前の幕で紅雀の
紛失
(
ふんじつ
)
して居たのは隣人の盗んだのである事を主人
自
(
みづか
)
ら
後
(
のち
)
の幕で静かに問ひ詰め、突然その隣人の喉に蛇の如く弁髪を巻き附けて締め
乍
(
なが
)
ら
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
陛下を捜そう為ではなく陛下と一緒に
紛失
(
ふんじつ
)
した玉璽を捜そうためであると、斯う云うことでございます……それで私は謹んで馬袁長老にまで申上げますが、ご安心遊ばせ
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこで
妻
(
さい
)
を
捉
(
つら
)
まえて、
紛失
(
ふんじつ
)
した物を手帳に書き付けている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
申位なら去年
紛失
(
ふんじつ
)
の節訴へて
戴
(
いたゞ
)
きますが私しは奉公の身の上なれば金は入らねど
只
(
たゞ
)
老母
(
らうぼ
)
の病を治し度一心にて出ましたに名前を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何を申すも田舎者で、預り物が
紛失
(
ふんじつ
)
致して少々
逆上
(
とりのぼせ
)
て居る様にも見受けますれば、お荷物に手を附けました段は重々恐れ入りますが何うか何も心得ません者と
思召
(
おぼしめ
)
し
只管
(
ひたすら
)
御勘弁を
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
度度
(
たびたび
)
傘を
紛失
(
ふんじつ
)
して買ふのも
癪
(
しやく
)
だと云つて居る内藤は僕の傘の中へ
入
(
はひ
)
つて歩いた。自動車にでも乗らうと云つたが、謙遜なヌエは近い所だと云つて聞かなかつた。ラスパイユの通りへ出た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
並べて
占
(
うらな
)
ひ此盜賊は男で御座ると云ながら
歸去
(
かへりさり
)
けるにぞ九助は種々と工夫し其儘四里廿一丁を一
息
(
いき
)
に飛が如く水田屋へ到り息を
繼々
(
つぎ/\
)
紛失
(
ふんじつ
)
の話を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
源「殿様は荒い言葉もお掛なすった事もなかったが
大枚
(
だいまい
)
の百両の金が
紛失
(
ふんじつ
)
したので、金ずくだから
御尤
(
ごもっと
)
もの事だ、お隣の宮野邊の御次男様にお頼み申し、お
詫言
(
わびごと
)
を願っていたゞけ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ナポリ、ポンペイ等の記事も同様である。
其
(
それ
)
等の郵便を予自身に郵便局へ
赴
(
おもむ
)
いて
差
(
さし
)
立てなかつたのが過失であつた。
人気
(
にんき
)
の
悪
(
わ
)
るいナポリの宿の
下部
(
ギヤルソン
)
に托した
為
(
た
)
めに故意に
紛失
(
ふんじつ
)
されたのであつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
國「おとぼけでないよ、百両のお金が此の胴巻ぐるみ
紛失
(
ふんじつ
)
したから、
御神鬮
(
おみくじ
)
の
占
(
うらない
)
のと心配をしているのです、是が
失
(
な
)
くなっては何うも私が殿様に済まないからお金を返しておくれよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを
彼是
(
かれこれ
)
荒立って見ると事柄が面倒になるから、
私
(
わたし
)
も許すから、
併
(
しか
)
しお前も預り物を
紛失
(
ふんじつ
)
して
嘸
(
さぞ
)
心配であろうが、幸い此の紙入に二十両
遺
(
のこ
)
って有るから、お前にこれを進上するから
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
殊
(
こと
)
には春部梅三郎の父が御舎弟様から拝領いたしました
小柄
(
こづか
)
を
紛失
(
ふんじつ
)
致しました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家主
(
いえぬし
)
も驚きまして引取りに参り、御検視お
立会
(
たちあい
)
になると、これは手の
勝
(
すぐ
)
れて
居
(
お
)
る者が斬ったのであるゆえ、物取りではあるまい意趣斬りだろうという。なれども貞宗の刀が
紛失
(
ふんじつ
)
している。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これ
如何
(
いか
)
に其の方の荷物が
紛失
(
ふんじつ
)
したとて
濫
(
みだ
)
りに
他人
(
たにん
)
を賊といっては済まんぞ、
苟
(
いやし
)
くも
武士
(
ぶし
)
たる者が
他人
(
ひと
)
の荷物を持って
己
(
おのれ
)
の物とし賊なぞを働く様なる者と思うか、手前は拙者を賊に落すか
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
粟田口國綱
(
あわだぐちくにつな
)
と云う名剣が此の金森家にございます。これはその
北條時政
(
ほうじょうときまさ
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
で
鬼丸
(
おにまる
)
と申します名刀がございました、これと同作でございまする。かの國綱の刀の
紛失
(
ふんじつ
)
から末が
敵討
(
かたきうち
)
になりまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
は殿様から預り中に、
御家
(
おいえ
)
御伝来のお刀を
紛失
(
ふんじつ
)
致し、それがために忰は少し心当りがあって美濃へまいった、尤も手掛りが無ければ、何時帰るか知れんと云って出たが、今に
音信
(
たより
)
は無いけれども
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
粟田口國綱の刀
紛失
(
ふんじつ
)
致しましてから重三郎の行方知れず、主人も心配致して居りまする処へ稻垣小左衞門が参りましたが、重三郎の罪を身に引受け、別に厳しゅう咎めもなく屋敷へ帰られました事で
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
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紛失物