“けし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
罌粟43.1%
芥子32.0%
9.2%
6.5%
2.6%
2.0%
罌粟花1.3%
嬰粟0.7%
家司0.7%
打消0.7%
罌子0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京トンキンから持つて来た罌粟けしの種子を死骸で肥えた墓地に植ゑて見ると思ひの外に成績がよくてその特徴を発揮させることが出来た。
鴉片 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
右手には、塗香と、加持物、房花、扇、箸、三種の護摩木を置き、左手には、芥子けし、丸香、散香、薬種、名香、切花を置いてある。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「何だって私の居ないのに渡した、え何だって渡した。けしからんことだ」とわめきつつ抽斗の中を見ると革包が出ていてしかも口を開けたままである。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「幸ひ、大したあとも殘るまいといふことぢや、——しかし、半九郎は死んでも、けしかけた者があるだらう。その邊かりのないやうに」
「藤尾が御前さんを見縊るなんて……」とけしはしとやかな母にしては比較的に大きな声であった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先駆者は民衆の愚にけしかける
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
寂寞じやくまく罌粟花けしを散らすやしきりなり。人の記念にたいしては、永劫にあたひすると否とを問ふ事なし」といふ句がいた。先生は安心して柔術の学士と談話をつゞける。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
嬰粟けしの花のやうに酔つて居る。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
家司けしどもを統御して一城一家を守って行かねばならず、娘たちはいつ人質にやられるか、気に染まぬ政略結婚をさせられるかわからない。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
『まさか』と自分おれ打消けして見たが『しかし都は各種の人が流れ流れて集まって来る底のない大沼である。彼人あれだってどんな具合でここへ漂ってまいものでもない、』
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
中から羽織袴の竹林武丸が威儀正しく現われて、案内なしに座敷に通り一同に会釈えしゃくして霊前に近付き、礼拝を遂げて香を焚き、懐中から名器「玉山」を取り出して「罌子けしの花」を吹奏し初めた。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
次に投げ棄つる御けしに成りませる神の名は、煩累わづらひ大人うしの神。次に投げ棄つる御はかまに成りませる神の名は、道俣ちまたの神。次に投げ棄つる御冠みかがふりに成りませる神の名は、飽咋あきぐひ大人うしの神