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嗾
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けし
ふりがな文庫
“
嗾
(
けし
)” の例文
かれは血に飢えている犬を
嗾
(
けし
)
かけて、お作を咬ませたのであった。そうして、自分の運命をも縮める
端緒
(
たんちょ
)
を作り出したのであった。
半七捕物帳:23 鬼娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「幸ひ、大した
痕
(
あと
)
も殘るまいといふことぢや、——しかし、半九郎は死んでも、
嗾
(
けし
)
かけた者があるだらう。その邊
拔
(
ぬ
)
かりのないやうに」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
で、イギリス人は『気をつけろ、お前の方でこうこういう風にしなければ、おれはすぐさまこの犬をお前に
嗾
(
けし
)
かけてやるぞ!』
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
瑠璃子夫人はと見ると、その平静な顔に、
嗾
(
けし
)
かけるやうな微笑を湛へて、『
貴君
(
あなた
)
も負けないで、しつかりおやりなさい。』
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
今覗いて見れば追掛けたのではない酒屋の御用が犬を
嗾
(
けし
)
かけたのだ、私は只怖いと思ったものだから追掛けられたと心得たので、誠に相済みません
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
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犬を
嗾
(
けし
)
かけながら犬の先になツて走る腕白小僧や、或は行路病者、𢌞國巡禮、乞食僧侶、或はまた癩病患者、
癲疳持
(
てんかんもち
)
、
狂人
(
きちがひ
)
、鼻ツかけ、眼ツパ、
跛
(
びツこ
)
、
蹇
(
ゐざり
)
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
こんなことを云って
嗾
(
けし
)
かけるから、いよ/\騒ぎは大きくなります。大勢は侍を取り囲んで、お金の店のなかへ引摺り込みました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
瑠璃子夫人はと見ると、その平静な顔に、
嗾
(
けし
)
かけるような微笑を
湛
(
たた
)
えて、『
貴君
(
あなた
)
も負けないで、しっかりおやりなさい。』
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
妙に怒らせでもして、あの犬を
嗾
(
けし
)
かけられちや
叶
(
かな
)
はないから、近所の衆は見て見ない振りをして居ますがね。
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その半九郎が誰かに
嗾
(
けし
)
かけられたに違ひあるまい。どうぢや平次、その半九郎を
操
(
あやつ
)
つた曲者はわかつたかな
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「撲つたり叩いたり、水を打つ掛けたり、犬を
嗾
(
けし
)
かけたりして見たが、命も見得も棄ててしまつて、お喜代の顏を一と眼見たさに喰ひ下がる、戀の亡者には手の付けやうがない」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嗾
漢検1級
部首:⼝
14画
“嗾”を含む語句
使嗾
御使嗾
指嗾
使嗾者
嗾掛
示嗾