“いよ/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愈々48.7%
26.1%
彌々7.8%
愈〻6.1%
弥々6.1%
彌〻1.7%
1.7%
0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さあ、愈々いよ/\出世の手蔓てづるが出来かかつたぞ。明日あすは一つあの殿様のお顔を、舶来はくらい石鹸しやぼんのやうにつるつるに剃り上げて呉れるんだな。」
况んや前山の雲のたゝずまひの無心のうちにおのづからの秋の姿をそなへて、飄々へう/\高く揚らんとするの趣ある、我はいよ/\心を奪はれぬ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
いとまともならば彌々いよ/\病人びやうにん伯父おぢ心配しんぱいをかけ、痩世帶やせせたいに一日の厄介やくかいどくなり、其内そのうちにはと手紙てがみばかりをりて、此處こゝこゝろならずもおくりける。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其處そこその翌日あくるひ愈〻いよ/\怠惰屋なまけや弟子入でしいりと、親父おやぢ息子むすこ衣裝みなりこしらへあたま奇麗きれいかつてやつて、ラクダルの莊園しやうゑんへとかけてつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
美奈子は素気なく答へて歩き出しさうになつたので、久保はもう恥のために弥々いよ/\堪らなくなつて
階段 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
……きこえぬな、うごかぬな、ぬな。はて、おさるどのはくなられたさうな。こりゃ彌〻いよ/\いのらねばならぬ。
「私、いよ/\決心しました。」女の方から話しかけた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
然者しかれば兼而御話御坐候老人会、いよ/\重陽明日御催に付、拙子も罷出候様先日令弟御入之所、不在に付不得拝答。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
新禧いよ/\御安祥御迎可被成遙賀仕候。晋帥病懶依然御放念可被下候。去年下宮大夫しもみやたいふ臥病の節は御上屋敷迄も御出之由、忙程之事出来候へば大慶也。追々脚力も復し可申やと奉存候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
川に沿ふて上ることしばらく、両岸の山あひしじまり、渓せまく、煙しづかにして、瀬のおといよ/\たかし、南山の里に入れば緑なるをかの上に皇后の祠を拝するの厳かなるを覚ゆ。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)