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彌〻
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いよ/\
我が
思ふ
事に一
錢の
融通も
叶ふまじく、いはゞ
寳の
藏の
番人にて
終るべき
身の、
氣に
入らぬ
妻までとは
彌〻の
重荷なり、うき
世に
義理といふ
柵みのなくば
……
聞えぬな、
動かぬな、
出て
來ぬな。はて、お
猿どのは
亡くなられたさうな。こりゃ
彌〻祈らねばならぬ。
ロミオ
予が
教へう。したが、
其若樣は
彌〻逢はッしゃる
時分には、
尋ねてござる
今よりは
老けてゐませうぞ。はて、
最ち
年少のロミオは
予ぢゃ。これより
粗いのは
今はない。
ロミオ
他のと
較ぶれば
彌〻彼女をば
絶美ぢゃと
言はねばならぬことになる。
美人の
額に
觸るゝ
彼の
幸福な
假面どもは、
孰れも
黒々と
製ってはあれど、それが
却って
其底の
白い
面を
思出さする。